白ワイン用のグラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:49 UTC 版)
ガラス容器が登場して以降、ワインの種類ごとに特化したグラスが作られた。白ワインに特化した様々なグラスが、多くのワイン生産地域に存在している。ワインの色を正しく把握するには、ガラスは完全に無色透明でなければならない。しかし、デザイナーや食器メーカーは緑色または青色の足を持つ白ワイン用グラスを作っている。この色によりワインの色合いは良く見える。すなわち、影の部分に人工的な色が付き、反射が防がれることでグラスとワインの間がくっきり分かれて見えるようになることで、ワインが若々しく見えるようになるのである。 スパークリングワインは、フルートやクープのような専用のグラスで提供される。フルートグラスは、香りが鼻のところに集まってくる形状であり、高さがあるため立ち上ってくる泡を見ることができるため、プロのテイスターに好まれている。一方、クープはあまりにも広がった形状のために泡の層を保存出来ず、炭酸ガスと香りが逃げてしまうため、現在は推奨されていない。一説によると、このクープの形状はポンパドゥール夫人の乳房の形に基づいて作られたという。クープは、かつてワインが甘く香りが弱い時代から使われてきた。1930年代以降、より辛口なスパークリングワインが好まれるようになり、フルートはクープに置き換わった。クープは、炭酸のカクテルにオリーブを入れたものに使われたり、王族の祭典等で壮大なシャンパンピラミッド (シャンパンタワー)を行うのに使われている。 これらのグラスの他に、フランスのINAO (原産地呼称委員会)のJules Chauvetをはじめとするテイスタのチームにより、1970年にINAOグラスが確立された。このグラスはガラス部分が薄くできており、あらゆるワインを味わうことが出来るよう計算された曲線になっている。このグラスは、とりわけ、原産地呼称統制(AOC)認可時のテイスティングの際に使用される。これはワインがフランスのAOCの称号を得るための関門である。このシンプルでエレガントなグラスは、もちろん食卓でワインを飲むときにも使える。 白ワイン用のグラスは一般的に赤ワイン用のグラスよりも背が高くて薄い アモンティリャード・シェリーが、INAO (フランス原産地呼称委員会)のテイスティング用グラスに注がれている アルザスグラス: 色付きの足はワインの色を適切に評価するのには適切ではない 17世紀のドイツのワイングラス (Römer) カバが注がれたフルートグラス スパークリングワイン用のフルートグラス スパークリングワイン用のクープ クープを使ったシャンパンピラミッドの豪華な演出
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