発生・原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/15 20:55 UTC 版)
「スティーブ (大気現象)」の記事における「発生・原因」の解説
スティーブの光は、一見オーロラ状にみえるが、通常のオーロラとは色や持続時間、観測できる場所といった特徴が明らかに異なっている。スティーブの外見的な特徴をまとめると、以下のようなものになる(観測実績については、いずれも2018年3月現在)。 スティーブは、オーロラよりも赤道寄りの地域でみることができ、イギリス、カナダ、アラスカ、アメリカ北部、ニュージーランドで観測が報告されている。 スティーブは、東西方向に何百km、何千kmにもわたって細長く伸びてみえる。 スティーブの発光は、紫色を基調とし、時には緑色のピケットフェンス状の光を伴って、概ね20分から1時間程度で消滅する(オーロラは、緑を基調に赤や青が目立ち、数時間継続する)。 スティーブが観測されたときは、必ずオーロラも出現している(オーロラには、スティーブを伴わないものがある)。 スティーブは、10月から2月の間は観測報告がなく、NASAはスティーブが特定の季節に起こる現象かもしれないとしている。 ドノヴァンは、カルガリー大学とカリフォルニア大学バークレー校が運用するオーロラ観測用全天撮像装置網のデータと、アルバータ・オーロラ・チェイサーズが撮影した写真などから、スティーブ発生時に発生地点上空をSwarm衛星が通過した機会を突き止め、Swarm衛星の測定データを調べることで、スティーブの特徴の一端を明らかにした。 2018年3月、マクドナルド、ドノヴァンらはその成果を"Science Advances"誌に発表。スティーブが発生している領域では、西向きに最大5.5km/sという高速でイオンが流れ、領域内での電子温度は最高で6,000Kに達する一方、電子の密度は2-3割に低下していることが示された。これらの特徴は、スティーブが、電離層の狭い緯度幅にみられる西向きの高速イオン流「サブオーロラ帯イオンドリフト(Subauroral Ion Drift、SAID)」に関係した現象であることを示唆する。スティーブが冬季に観測されていない点も、SAIDが発生する季節の傾向と合っている。SAIDに伴い光学的な現象が発生することはそれまで知られておらず、スティーブはSAIDに関係して発生した光学的な現象が、史上初めて記録された例とみられる。
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