病原菌 Cryphonectria parasitica
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:24 UTC 版)
「クリ胴枯病」の記事における「病原菌 Cryphonectria parasitica」の解説
ニューヨークで胴枯病が報告された翌年の1906年、同じくニューヨークの植物園に勤めていた菌類学者William Murrillが原因菌を分離し、新種Diaportha parasiticaと名付けて報告した。1912年Andersonらは属が違うのではと考え、Endothia属に含まれるEndothia parasiticaを提案、この名前が長らく通用していた。1980年代に入りBarrはMurrillの分類を再評価しCryphonectria属に含まれるCryphonectria parasiticaを提案した。現在はCryphonectriaの方を使うことが多いが、Endothiaを使う者も一定数いる。 ニューヨークで被害が明らかになった当初から、この病原菌はアジア原産ではないかと見られていた。やがて同種菌が中国および日本から発見され、この仮説が正しかったことが証明された。公式に論文になったのは1904年のニューヨークでの被害以後であるが、その10年ほど前からこのような被害があったと見られている。その1890年前後ではこの周辺で特に日本産種(Castanea crenata)を用いて品種改良をしようと同種の取引が活発に行われていた記録があり、これに乗じて侵入してきた可能性が高いと見られている。中国産種(C. mollisima)はアメリカに持ち込まれたのはやや遅くまた場所もニューヨークではなくワシントン周辺であったという。 クリの防御手段の一つとしてタンニンという化学物質がありこの組成や量がクリの抵抗性を左右しているのではないかと言う見方は古くからあり、多数の研究が行われた。ピロガロールタンニン(今は加水分解型タンニンの名称が一般的)を多く含む中国種は強い抵抗性を持つのに、カテコールタンニンとピロガロールタンニンを含む日本産種やアメリカ種は弱いという報告がある。クリ胴枯病菌はクリに含まれるタンニンを分解する酵素を持つ。
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