病原菌と免疫機能不全説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 09:26 UTC 版)
「蜂群崩壊症候群」の記事における「病原菌と免疫機能不全説」の解説
「病原体」を参照 蔓延経路が感染症のように機能しているとの指摘もある。しかしながら、CCDには、免疫系を弱化させるような先述の「ストレス」との潜在的なつながりを持つような免疫抑制メカニズムが関係しているのではないかという先入観もある。ペンシルベニア州立大学の研究によれば、蜂の成虫内にいる感染病原体の検出数の多さからみて、ある種の免疫機能不全が考えられる。この研究は当初、ミツバチヘギイタダニの蔓延とCCDのつながりを示唆しており、これらのダニと(ダニが運ぶ)羽変形病ウイルス、細菌が共謀して免疫を抑制し、CCDの一因になるのではないかと考えていた。この研究グループは原因として可能性のあるウイルスや細菌や菌類の病原体を探すことに注目していると報告されている。 いかなる原因によるものであっても、(養蜂場でよくあるように)あるコロニーが崩壊しかかっていて、近くに健康なコロニーが存在する場合、健康なコロニーのミツバチはしばしば死にかけたコロニーに入り込んで、貯蓄物を勝手に奪っていく。もし、死にかけたコロニーの貯蓄物が(天然もしくは人工の毒物により)汚染されているならば、結果として起こるパターン(死にかけたコロニーの近くにあったために健康なコロニーで病気が発生した)から、感染症の関与が疑われることになるだろう。しかし、CCDの場合、死にかけたコロニーの貯蔵物は盗まれることが無く、これは少なくとも、こうしたメカニズム(他のコロニーからの奪取により毒物が広がり、それにより病気が広がる)はCCDにはあてはまらないことを示している。 ほか、CCD伝染病説を示す観察証拠として、CCDにより死亡したコロニーの蜂の巣は、DNA破壊をする放射線で処理を行なった場合にのみ、健康なコロニーとして再利用することができたことも挙げられている。
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