畳の寸法の実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 18:32 UTC 版)
上記のように、畳のサイズにはいろいろなものがある。 畳のサイズに違いが出たのは、もともと一間(いっけん)という、年貢米を明確にするための検地における寸法の違いの影響が大きい。秀吉の時代(太閤検地)には、これが6尺3寸であったが、江戸時代には6尺として、事実上の増税となった。当時は、この一間の検地竿(間竿)を基準にして建物を造ったと考えられ、殆どの造作物がこの竿の長さを一つの単位とすることになる。これによって、畳もおおよその平均が出来、○○間といわれるサイズが多くなった。なお、江戸時代に6尺と短くされた背景には、面積あたりの米の収穫量が高まったことがあるとも言われている。 もうひとつの違いが、家を生産するシステムの違いで、畳の寸法を基準とする「畳割り」か、それとも柱真(柱の中心のこと)間の距離を基準とする「柱割り」か、である。一般的に、「柱割り」の方が、大工による作業の能率が高い。その理由は、「畳割り」による設計で大小さまざまな部屋を並べていくと、柱真の筋が合わなくなるという問題が生じるからである。したがって、「柱割り」の方が、より近代的な生産システムに対応したものだと考えられる。 なお、家は工場で生産されるものではなく、現場で一品生産されるため、実際には各部屋のサイズにはどうしても僅かの差が生じ、「正確な長方形」とは言えない場合も少なくない。このため、現実には畳の寸法は1枚ずつ微妙に異なり、畳の表替えを行った場合、「もとの位置に置かなければぴったりとは合わない」ことが普通である。 最近では、住宅の広告等で部屋の広さをあらわす目安として「リビング12.3帖」「寝室6.7帖」(畳ではない)といった帖表記を目にすることがよくある。これは畳を部屋の広さの基準にすることは厳密には無理があるため、単純に畳の枚数を表す畳ではなく帖を用いることによって誤解を防ぎ、業界ルールとして1帖を1.62平方メートルと定めて広告などに別記してある場合も多い。 不動産公正取引協議会連合会では、1.62平方メートル以上の広さを1畳とすることとしている。この1.62 m2は、各室の壁心面積を畳数で除した数値である。
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