申し込みの殺到
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 14:20 UTC 版)
2006年4月7日午前11時 (CET)、登録商標を持たない者もドメイン登録が可能となった。ドメインを求める人々は希望の登録を行えるこの絶好の機会に、登録事業者に一斉に申請した。70万以上のドメインが最初の4時間に登録され、GoDaddy や Dotster などの大手登録事業者は、大量の処理待ちと無反応に悩まされ、すでに処理を終えた他の事業者を通じて「列を飛ばす」ことを許すほどであった。2006年7月には、200万以上の .eu ドメイン名が登録された。これはヨーロッパでは .de、.ukに続く第3に大きなドメイン、世界では7番目に大きなドメインとなり、.info に並ぶほどになった。 GoDaddy の創設者の1人であり、CEO であるボブ・パーソンは EURid によるランドラッシュ(一般による申し込み)のプロセスを非難した。とくにパーソンは一部の登録事業者によるペーパカンパニーの使用を強く非難した。ブログにおいてパーソンは「これらの会社は実態のある事業者を登録するのではなく、新たに何百もの「幽霊」登録事業者を作り出した」と述べた。パーソンは400もの会社が、すべてニューヨークの同様の住所・連絡先である LLC により登録されていると述べた。彼の意見では、それらは .eu ドメインのランドラッシュを乗っ取るために作られた幽霊登録事業者であった。 あるドメインに対して、本当の実在する登録事業者が1回なのに対し、これらの「幽霊」登録事業者には、数百回のドメイン登録の機会が存在した。したがって、.eu のランドラッシュのプロセスにおける混雑によりはじき出されてしまった申請者もおり、多くの一般的な名称の .eu ドメイン名はこれら「幽霊」登録事業者を通じて申請を行った会社により所有されている。 EURid の広報担当であるパトリック・リンデン (Patrik Lindén) はパーソンによる非難を否定し、「EURid はそれぞれの登録事業者それぞれが法的主体であるという確認を行った。またそれぞれの申込者は我々の示す内容に同意することを署名して、事前に1万ユーロを支払う義務がある。」と述べている。パーソンはそれぞれの登録事業者が独立した法法的主体であるかを議論していないうえ、そのような存在を作るのは簡単なことだと述べた。「リンデンは、EURidがその承認前より法的主体として存在しているかの確認をしたこと誇りにしているようだ。それが何を意味しているか少し考えてみればよい。$50で『法的主体』―LLC―を作ることができ、それだけでよいんだ。それが我々がEURidに求めてることだと思うかい?そんなことよりも、ドメイン名―特にヨーロッパ自身のドメイン名―をエンドユーザーに供給する組織が実際にドメイン登録サービスを行っているとを確認することを望んでないとでも?」 Eu はポルトガル語で「私(一人称)」を意味するため、ドメインが一般に登録可能になるとポルトガル語利用者による登録が急増すると見られている。ポルトガルの国民はこのドメインに登録できたが、ポルトガル語圏であるブラジルやアフリカの一部では利用が不可能となっている。ルーマニア語でも eu は「私」を意味するため、2007年にルーマニアが欧州連合に加盟した際には同じことが起こると予想されている。
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