甲標的母艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 16:26 UTC 版)
改装後の差異は以下の通り。総重量約42トンの甲標的を搭載するため、帰着甲板の支柱部分を使い片舷40トンと20トンのクレーンを1基ずつ設置して1組とし、両舷より搭載できるようにした。平時にはこのクレーンは艦載艇揚収用に使用した。また、帰着甲板下の上甲板に甲標的が搭載できる大きさの艙口(ハッチ)を設け艦内に収容、艙口にはマカンキン式に近い蓋を設けた。艦内の格納庫の艦尾部分には進水口は設けられなかったが、甲標的母艦に改造した際には容易に改造できるよう考慮された。甲標的の取り扱いを考えると格納庫の甲板高さは水面近くが良いが、格納庫への浸水防止も考慮して、水面上約1mとした。また、万が一に格納庫に浸水した際もGM値が適正な値になるよう考慮された。 艦内の水偵用格納庫を改造し、甲標的移動用に軌条4組に3隻ずつ並べ計12隻を搭載、電動ウインチで移動させ、艦尾に設けた2個のトンネルを通り甲標的を発進させた。速力20ノットとして甲標的を100秒間隔で発進、1回につき6隻を発進させ、計2回で12隻全部を発進させる予定だった。2回に分けたのは外側の軌条は直接開口に繋がっておらず、内側の6隻が発進した後に外側の甲標的を内側に移動させる必要があるからである。また、艦橋トップに甲標的指揮塔を設けた。搭載機は12機とし、射出機も2基に減らされ、リフトは使用されなかった。 諸元 改装時に変更された要目 排水量:基準不明、公試12,350トン、満載13,000トン 水線長:183.8m 吃水:7.14m(公試状態) 航空兵装:水偵x12機、射出機x2基、軽質油x100トン 甲標的:12基 補給用重油:1,000トン
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