用途とコネクタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 22:55 UTC 版)
パッチパネルは、一般に、各種機器の相互接続をそれなりに頻繁に変更する必要がある場合に使われ、例えば電話交換機(電話やデータ通信)、また各種音響機器(スタジオや録音スタジオの音響機器、初期のアナログシンセサイザー)や映像機器(放送局、放送スタジオ機器)などで使われている。 コネクタの形状も様々で、前面と後面で違う形状になっている場合も多い。後面が複合型コネクタで、前面が個別のコネクタの場合、ブレイクアウトボックスとも呼ぶ。例えば、DB25コネクタを8チャンネルの平衡接続オーディオで使用していて、これをブレイクアウトボックスで変換して、前面には8個のXLRタイプコネクターやフォーンコネクタを配置する場合がある。 パッチパネルはその柔軟性から、各種電気回路(dc、VF、グループ、同軸、平衡接続、デジタル信号回路など)のルーティングや復旧に使われる。パッチパネルは規格の変換にも使われ、1つのパネル上に様々な形状のコネクタを配置することもある。 電話およびデータ通信では、パッチパネルとして66ブロック、110ブロックといったパンチブロックがよく使われる。これは導線を素早く配線できる絶縁変位コネクタを並べたもので、通常のコネクタではない。音響関係では、TRSフォーンコネクタを前面に並べたものが今もよく使われている。 最近ではルーターを使った実装もあり、各種コンフィギュレーションを即座に切り替え可能になっている。パッチパネルはルーターの物理的バックアップとして依然として存在していることが多い。 ビデオ用パッチパネルは、SDI(シリアルデジタルインタフェース)、HDTV、アナログの手動ルーティングに必要とされる。この用途のコネクタには様々なものがあり、隣接する端子間を接続するUリンクと呼ばれる器具もよく使う。通常、パネルの上から下に信号が流れていくような配置になっていて、背後でそのように接続されている場合もあれば、Uリンクを使う場合もある。経路は必要に応じて変更可能である。このようなパネルはドルビー5.1チャンネル音響信号でも使う。 音響用パッチパネルも信号は異なるが似たような原則に従う。音響信号にはアナログまたはAES/EBU(デジタル)がある。ケーブルやコネクタはアナログでもデジタルでも同じものが使えるが、アナログの場合には同相信号除去のための3線平衡システムが必要になる。
※この「用途とコネクタ」の解説は、「パッチパネル」の解説の一部です。
「用途とコネクタ」を含む「パッチパネル」の記事については、「パッチパネル」の概要を参照ください。
- 用途とコネクタのページへのリンク