産業用の昆虫とは? わかりやすく解説

産業用の昆虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 04:33 UTC 版)

昆虫」の記事における「産業用の昆虫」の解説

歴史的に最も広範に利用されている産業用昆虫として、絹糸生産するためのカイコガがある。絹は歴史を通じて高級繊維としての地位確立しており、これを生み出すカイコ育て養蚕産業一つとして成立している。カイコ家畜化された歴史長いためすでに野生では存在せず人間の手離れて生きられなくなっている。なお、カイコ以外にも絹糸生成できるヤママユテンサン天蚕)やその亜種であるサクサン柞蚕)などいくつか存在し野蚕総称されるミツバチ類は並んでもっとも重要な産業用昆虫であり、蜂蜜ロイヤルゼリー、さらに蜜蝋採取目的飼育されている。ミツバチもう一つ重要な用途としては果樹野菜といった虫媒花受粉挙げられる受粉農業上非常に重要であり、養蜂蜂蜜採取よりも授粉用の需要の方が大きくなっている。授粉昆虫としては、このほかにマルハナバチ類も多用されるカイコミツバチ昆虫ありながら家畜になっているといえるイボタロウムシ生産に重要である。 この他海外では赤色染料原料としてカイガラムシ類が広く利用されなかでも良質コチニール色素取れコチニールカイガラムシアステカ珍重されて、19世紀中盤化学染料優勢になる前は世界で広く栽培されていた。またラックカイガラムシ染料としても使用されていたが、それよりもシェラック呼ばれる樹脂生産知られており、かつてはワニスなど様々な用途使用されていた。また、幼虫ウジ)を釣り餌として利用するために累代飼育されているハエ爬虫類の餌として飼育販売されているコオロギなどのような例もある。

※この「産業用の昆虫」の解説は、「昆虫」の解説の一部です。
「産業用の昆虫」を含む「昆虫」の記事については、「昆虫」の概要を参照ください。

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