生産工程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 10:19 UTC 版)
絞り製造問屋 - 「絞り商」とよばれ、全工程の中心にいて大きな影響力をもった。図案師が提出する見本をもとに、絞り商が製品を企画した。 型彫り - 切れ味のよい小刀やハト目抜きで、図案に基づいて模様を切り抜いたり穴をあけて、型紙を作る。 下張り、下のし - 下絵をつけやすいように、糊を塗布する、もしくは湯のし(湯気を当て布の皺を伸ばす手法)にし幅を揃える。 下絵 - 型彫りされた型紙を使い、摺り師が布地の上から青花液(あおばなえき)で下絵を刷り込む。この下絵は括り作業のためのもので括りで使用された後に消される。青花液は、栽培種の露草の花弁から色素を酸で抽出し、和紙にしみこませて乾燥させておいてものを必要に応じて水に溶いて液とする。 絞り括り - 絞り職人が下絵に合わせて布を綿糸で括る。技法により加工方法や道具が異なるため、通常4人から5人の絞り職人の手へ順繰りに廻され、それぞれ図案の指定する箇所を加工する。代表的な道具には、烏口台・鹿の子台・巻き上げ台などがある。 漂白 - 下絵や括りの作業の間についた汚れを落とす。 染め分け - 何色かに染め分ける場合は染めない部分の防染作業を行う。 染色 - 布地を染める。糸によって締められた部分には染料が染み込まないため、抜糸後に模様ができる。専業の染屋によって行われ、一般的な浸染めのほか、特殊な染め方をする場合もある。染め方は布の用途や量によっても異なる。染液は、それぞれの布に適した染料や助剤などを使用して、そのつど調合される。 糸ぬき - 括りの糸を取り除く。絞りの種類によって糸抜き法も異なり、4種に大別される。糸抜き法には、1反分の糸を抜くのに数日を要するものもある。 湯のし整理 - 蒸気をあてて布の皺を取り、布目を整える。 付帯加工 - 必要に応じて付帯加工を行う。 仕上げ検品 - 製造問屋による検品。仕上げには、反物として巻かれる仕上げと、仮縫いして図柄がわかるようにする絵羽仕上げがある。
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