生物兵器・化学兵器の開発状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:57 UTC 版)
「地下鉄サリン事件」の記事における「生物兵器・化学兵器の開発状況」の解説
「オウム真理教#沿革」および「オウム真理教の兵器」を参照 麻原彰晃こと松本智津夫は、自ら設立した宗教団体であるオウム真理教内において、専門知識があり、また自らに対して従順な人材を複数配下に置き、日本を転覆させようとさまざまな兵器を開発する中でサリンにも着目し、土谷正実、中川智正らがこれを製造するにいたった。 教団では1990年の衆議院選惨敗のころから、村井秀夫や遠藤誠一らは生物兵器ボツリヌス菌培養を試みていた。1992年にはロシアに進出し多数の兵器を購入、翌1993年には多種の兵器開発を強化し、1993年5月には炭疽菌培養を開始し、6月には亀戸異臭事件が起こり、7月には東京で散布していた(のちに発覚)。1993年8月にはサリンの生成の合成に成功、11月には池田大作サリン襲撃未遂事件を起こした。1994年5月9日には滝本太郎弁護士サリン襲撃事件を起こし、同年6月27日には松本サリン事件が発生し、ついに死者が発生した。同年8月には皇居周辺でのサリン散布を計画、同じころ土谷正実がVXガスの合成に成功してからは敵対する弁護士らを次々と襲撃していった。 サリン70t製造を目指してサリンプラント計画が進行しており、1994年11月ころ、5工程からなるサリンの大量生成の方法を決め,第1工程では,溶媒としてN-ヘキサンを用い,三塩化リン、メタノールおよびNNジエチルアニリンを反応させて亜リン酸トリメチルを生成、第2工程では触媒としてヨウ素を用い、亜リン酸トリメチルからジメチルを生成し、第3工程ではジメチル及び五塩化リンからメチルホスホン酸ジクロライドを生成、第4工程ではジクロおよびフッ化ナトリウムを反応させてメチルホスホン酸ジフロライドを生成、第5工程でジクロ、ジフロおよびイソプロピルアルコールを反応させサリンを生成することとした。CIA文書によれば、三塩化リンと塩素を混合するサリン生成法はロシア軍独自のものであった。
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