かんじょう‐エーエムピー〔クワンジヤウ‐〕【環状AMP】
読み方:かんじょうえーえむぴー
⇒サイクリック‐エーエムピー(—AMP)
cAMP
分子式: | C10H12N5O6P |
その他の名称: | アクラシン、環状AMP、サイクリックAMP、環状アデノシンりん酸、3',5'-環状アデニル酸、3',5'-サイクリックアデニル酸、cAMP、Acrasin、3',5'-AMP、Cyclic AMP、Adenosine 3',5'-phosphate、3',5'-Cyclic adenylphosphoric acid、サイクリック3',5'-AMP、Cyclic 3',5'-AMP、環状3',5'-AMP、Adenosine 3',5'-phosphoric acid、6-Amino-9-(3-O,5-O-phosphinico-β-D-ribofuranosyl)-9H-purine、3',5'-cAMP、Cyclicadenosine phosphoric acid、Adenosine 3',5'-cyclic monophosphate、アデノシン3',5'-環状一リン酸 |
体系名: | 6-アミノ-9-(3-O,5-O-ホスフィニコ-β-D-リボフラノシル)-9H-プリン、アデノシン3',5'-ホスファート、アデノシン3',5'-りん酸 |
環状AMP
英訳・(英)同義/類義語:cyclic adnosine 3',5'-monophosphate, cAMP
細胞内信号伝達(セカンドメッセンジャー)、誘引物質、遺伝子調節など多くの生体機能に関与する化合物。, アデノシンの3'位と5'位のOH基をリン酸がジエステル結合で結合した化合物。細胞内信号伝達(セカンドメッセンジャー)、誘引物質、遺伝子調節など多くの生体機能に細胞内仲介物質として関与する化合物で、ATPを基質としアデニリルシクラーゼによって合成され、環状AMPホスホジエステラーゼによってAMPに分解される。
環状アデノシン一リン酸
(環状AMP から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/01 06:52 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動環状アデノシン一リン酸 | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 60-92-4 ![]() |
PubChem | 6076 |
ChemSpider | 5851 ![]() |
UNII | E0399OZS9N ![]() |
DrugBank | DB02527 |
KEGG | C00575 ![]() |
MeSH | Cyclic+AMP |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL316966 ![]() |
2352 | |
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特性 | |
化学式 | C10H12N5O6P |
モル質量 | 329.206 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
環状アデノシン一リン酸[かんじょうアデノシンいちリンさん、cyclic AMP, cAMP(サイクリックエーエムピー)、環状AMP、3',5'-アデノシン一リン酸]は、アデノシン三リン酸 (ATP) から合成され、リボースの3' および5' 位とリン酸基が環状になっている分子である
cAMPは、グルカゴンやアドレナリンといったホルモン伝達の際の細胞内シグナル伝達においてセカンドメッセンジャーとして働く。細胞膜を通り抜ける事はできない。その主な作用はタンパク質リン酸化酵素(タンパク質キナーゼ)の活性化で、これはイオンチャネルを通して、Ca2+の通過を調節する事にも使われる。
歴史
ヴァンダービルト大学のエール・サザランドは、「ホルモンの作用機作に関する発見」、特に(cAMPといった)セカンドメッセンジャーを介したアドレナリンの作用機作に関する研究により1971年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
cAMPの合成と分解
cAMPはアデニル酸シクラーゼ(adenylate cyclase)によってATPから合成される。アデニル酸シクラーゼは細胞膜に位置する。これはホルモンのグルカゴンとアドレナリンやGタンパク質により活性化される。肝臓アデニル酸シクラーゼはグルカゴンにより強く反応し、筋肉アデニル酸シクラーゼはアドレナリンへより強く反応する。
AMPへのcAMP分解は、ホスホジエステラーゼという酵素により触媒されている。この酵素は、カフェインによって抑制され、カフェイン様薬物による刺激作用によって細胞内cAMP濃度の上昇が引き起こされる。
cAMPの作用
タンパク質キナーゼ活性化
環状AMPは幾つものタンパク質キナーゼと関係している。例えば、PKA(タンパク質キナーゼA、cAMP依存タンパク質リン酸化酵素としても知られる)は普通は四量体ホロ酵素として不活性で、それは2つの触媒ユニットと2つの調節ユニットからなり (C2R2)、調節ユニットが触媒ユニットの触媒中心を妨害している。
環状AMPはそのタンパク質リン酸化酵素の調節ユニットの特定の部位へ結合して、調節ユニットと触媒ユニットの分離を行って、これにより触媒ユニットはその基質タンパク質のリン酸化ができるようになる。
グリコーゲン分解調節
cAMPはグリコーゲンのグルコースへの分解や脂肪分解など多くの生物学的過程を制御する。
微生物におけるcAMPの役割
微生物では、cAMPはグルコースの細胞内濃度の少ない時に産生される。これがグルコースを供給する酵素やグルコース以外の糖を異化する酵素の産生を活性化する。
ラクトースオペロンの異化生成物抑制の際にも重要な働きをする。
関連項目
- 環状グアノシン一リン酸 (Cyclic guanosine monophosphate, cGMP)
- 新陳代謝
外部リンク
環状AMP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 06:13 UTC 版)
AMPは環状AMP(cAMP)としても存在することが知られている。ある細胞内でアデニル酸シクラーゼによりATPからcAMPが生産されるが、この反応はアドレナリンやグルカゴンといったホルモン類によりコントロールされている。cAMPは細胞内シグナル伝達で重要な役割を果たしている。
※この「環状AMP」の解説は、「アデニル酸」の解説の一部です。
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