現実世界のパワーアシスト機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 20:57 UTC 版)
「パワードスーツ」の記事における「現実世界のパワーアシスト機器」の解説
第二次世界大戦後、原子力の発展に伴い、放射性物質を扱ったり原子炉内部へ立ち入ったりする時のため、「移動可能なマニピュレータ(モビル・マニピュレータ)」の開発が求められた。これは後に宇宙用・深海作業用に発展するもので、その多くは遠隔操作型であり当装置の概念とは異なるものであった。しかし、1961年に開発されたジェネラル・エレクトリック社製の「ビートル」は乗員が乗り込み操作する物で、ある程度パワードスーツ的な要素を持っていた。もっとも走行には無限軌道を用いており、また放射線を遮るための装備による重量過大で失敗に終わっている。このような分野では、日本においてテムザック製の実用型レスキューロボット「援竜」が開発されている。 ジェネラル・エレクトリック社ではその後も研究が続けられた。1968年に試作案を提示、1970年に左側のみ(重さ350kg)が製作された外骨格型マニピュレータ「ハーディマン(英語版)」はパワーアシスト機器の元祖と言えるが、油圧アクチュエータで駆動するという構想ではあったものの、当時の技術的な限界で実用には至っていない。また同社は派生した技術を利用した四脚型の「歩行トラック」も試作した。これは操縦者の手で前脚、足で後脚を制御するものであった。 現在開発されているものは必ずしも全身の関節に動力補助が行われるわけではなく、腰と膝にだけ動力補助を与えて足首は生身のままというシステムも多い、これは人間の歩行動作には足首に大きな力が必要なわけではなく、必要な力はほとんどが太ももから発生しているため、太もも部分を補助してやるだけでも大幅な能力向上があるためである。負荷が大きい場合は腰から足の裏まで繋がったフレームを持つ物もあるが、これらは完全な補助装置であり、機械のみで動くことは出来ない。
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