現在のマルデン島
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マルデン島は、1972年にイギリス領ギルバートおよびエリス諸島に組み込まれ、1979年からはキリバス共和国の一部となっている。アメリカ合衆国政府は、19世紀のグアノ島法を根拠に、アメリカ合衆国による領有の主張をイギリス政府に続けていた。この領有の主張は、1979年にキリバス共和国が独立を果たすまで続けられた。1979年9月20日、アメリカ合衆国とキリバス共和国の代表者が、キリバス共和国の首都・タラワで会談を行い、友好条約(タラワ条約(英語版))を結んだ。この条約の中で、アメリカ合衆国はマルデン島を含むライン諸島とフェニックス諸島の島、計14島のキリバスによる領有を認めた。この条約は、1983年9月23日に発効している。 キリバスにおけるマルデン島の主な価値として、島の周囲200海里 (230 mi; 370 km)に設定される排他的経済水域が挙げられる。特に豊富なマグロ漁場が存在する。マルデン島自体には石膏が広く分布しているものの、予見できる限りの市場状況からは、主に輸送費の問題で経済的価値がないと見られている。1990年代中ごろから数年の間、エコツアーによる観光客の来島によっていくらかの税収が発生している。このツアーはSociety Expeditionsによって企画・運営されていたWorld Discovererというエコツアーで、年に1、2回程マルデン島に来島していた。 マルデン島は自然保護区かつ閉鎖区域として保護されており、英領時代の1975年5月29日、1975年野生生物保護条例 (1975 Wildlife Conservation Ordinance)によってマルデン島自然保護区(英語: Malden Island Wildlife Sanctuary)に公式指定された。この自然保護区指定の主な目的は、海鳥の大規模な繁殖羽数を保護するためのものであった。この自然保護区は、キリスィマスィ島に本省を置くライン及びフェニックス諸島開発省 (the Ministry of Line and Phoenix Islands Development)の一部門、野生生物保護ユニット (Wildlife Conservation Unit)によって運営されている。しかしながらマルデン島にスタッフは居住しておらず、海外から訪れる個人クルーズ旅行者や漁師はキリスィマスィから監視されていない。1977年にはおそらく来島者が原因で火災が発生し、海鳥の繁殖を脅かした。火災は現在でも脅威として残っており、特に旱魃の期間中には重大な脅威となっている。
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