特殊レンズ/用途・形状別による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 01:47 UTC 版)
「写真レンズ」の記事における「特殊レンズ/用途・形状別による分類」の解説
魚眼レンズ 通常歪曲収差は可能な限り補正するが、歪曲収差をコントロールした状態で残して、画像が歪んで特殊な効果を出せる超広角レンズを魚眼レンズという。詳細は「魚眼レンズ」を参照 PCレンズ PCはパースペクティブ・コントロールの意。シフトレンズとも称する。PCレンズはレンズ系の平行移動ができるシフト機構を内蔵している。たとえば高さのある建物全体を撮影する場合、一般のレンズで撮影すると見上げる形になり、上すぼまりに写る。これをカメラごと上に向けるのではなく、カメラを水平に保ったまま、シフト機構によりレンズ系だけを上に平行移動させて建物の上部までが入るように撮影すると、見上げて撮影した場合と同じような構図で、かつ垂直方向がすべて平行の画像が得られる。シフト機構に加えてティルト機構を持つレンズもあり、メーカによりTS-E、PC-Eレンズなどと呼ばれる。これはレンズ系を斜めに動かす機構で、ピント面をフィルム面と非平行にするものである。シャインフリュークの法則により手前から奥までパンフォーカスにする、また逆に不自然にピントの合う範囲を狭める等の効果が得られる。 パンケーキレンズ レンズの全長がパンケーキのように薄く軽いレンズをいう。ボディに装着しても通常のレンズのようにかさばらないので、バッグへの収納が容易になり、スナップショット用として使われる。光学系は主にテッサー型を使用していることが多いがダブルガウス型を採用する製品もある。 マクロレンズ 一般より高い撮影倍率で接写撮影ができるよう設計されたレンズ。通常のマクロレンズでは最大撮影倍率が1/2倍、もしくは等倍のものが多い。動物などに接近せず大きく撮影する目的で被写体までの距離を長くとることができる「望遠マクロ」と呼ばれるタイプのレンズもある。文献の複写、生物や工芸品等の細かいパーツ等を写す場合などに用いられるが、接写だけでなく無限遠からピントが合い通常の撮影にも対応できるものも多い。また、被写界深度が浅く、ボケやすいためポートレートなどにも用いられる。マクロ写真専用の特殊なレンズでは1〜20倍程度の撮影に特化したものがあり、これらのレンズの多くは顕微鏡の対物レンズのような姿をしている。ニコンでは設計倍率が等倍以下の製品を「マイクロレンズ」、設計倍率が等倍を超える製品を「マクロレンズ」として区別している。 軟焦点レンズ ハイライト部分から光がにじみだすような描写が可能なレンズ。意図的に球面収差を発生させて柔らかな描写を発生させるものが多い。またソフト効果をオフにして通常撮影もできるレンズもある。詳細は「軟焦点レンズ」を参照
※この「特殊レンズ/用途・形状別による分類」の解説は、「写真レンズ」の解説の一部です。
「特殊レンズ/用途・形状別による分類」を含む「写真レンズ」の記事については、「写真レンズ」の概要を参照ください。
- 特殊レンズ/用途・形状別による分類のページへのリンク