特急車両の保守と整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:57 UTC 版)
特急車両約450両はそれぞれ配属場所が設定されている。配属先では所定の検査を3か月または10日単位で実施するほか、編成の増結や抜き取り等の仕立て業務、洗車、清掃を行い、併せて車庫も併設する。配属車両がなくても特急車両の検査を実施する所もあり、以下その場所を列挙する。 高安検車区(高安駅隣接)- 大阪方(大阪線系統)の車両基地で、主に阪伊特急充当編成のほか、伊勢志摩ライナーやしまかぜ車両も配属される。 名張車庫(名張駅隣接)- 大阪線の輸送量の変化に対応するため、車両の増結切り離しを行う際の折り返し整備基地。配属車両はない。 富吉検車区(富吉駅隣接)- 名古屋方の車両基地で、名阪特急、名伊特急に充当される車両を受け持つ。アーバンライナー車両は全車配属。 米野車庫(米野駅隣接)- 近鉄名古屋駅発着特急の折り返し整備基地で、特急列車のみの列車検査も実施。配属車両はない。 明星検車区(明星駅隣接)- 伊勢方の車両基地で、名伊特急、阪伊特急、京伊特急に充当される車両を受け持つ。 西大寺検車区(大和西大寺駅付近)- 京都、奈良方の車両基地で、京伊特急、京奈特急、京橿特急等の車両が配属。 東花園検車区(東花園駅付近)- 大阪、奈良方の車両基地で、主に名阪特急・阪奈特急の折り返し整備も行う。 天美車庫(河内天美駅隣接)- 大阪方(南大阪線系統)の車両基地で、列車検査も実施。当車庫は大阪阿部野橋駅に近いため、特急車両の出入庫基地としての役割も果たしている。配属車両はない。 古市検車区(古市駅付近)- 吉野特急の全車両が配属される。 このほか、車両が8年に1度受ける全般検査、4年に1度受ける重要部検査を行なうための以下2検修場所がある。車両や台車、機器の分解検査をはじめ、車体塗装も実施する。さらに、寿命を迎えた車両の廃車解体作業は高安検修センターおよび塩浜検修車庫で行ない、近畿車輛で新造した車両の受け入れは高安検修センターで行なう。また、車体更新工事も高安検修センターを含めた3か所で実施され、工事内容も以下に挙げる。 五位堂検修車庫(五位堂駅付近)- 近鉄車両のほとんど(特急車両は全形式)を検査する大規模工場。「さくらライナー」等、狭軌線特急車両も検査する。高安検修センターの各種工事も管理する。 塩浜検修車庫(塩浜駅隣接)- 名古屋線系の車両を検査する(1992年の10400系の廃車後、特急車両の検査は実施されていない)。 高安検車区 富吉検車区 米野車庫 明星検車区 五位堂検修車庫 塩浜検修車庫
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