牛丼チェーン店系豚丼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 09:07 UTC 版)
牛丼チェーン店系豚丼は、薄切りの豚肉とタマネギやゴボウなどを調味した割下で煮たものを載せた料理である。各社での呼び方は少しずつ異なっており、松屋「豚めし(ぶためし)」、吉野家「豚丼(ぶたどん)」、すき家「豚丼(とんどん)」、なか卯「豚どんぶり(ぶたどんぶり)」となっていた。 BSE問題により牛丼の代替品として導入 2003年(平成15年)12月のBSE問題による牛肉の調達困難に伴い、牛丼の代替品として開発された。 牛丼にできるだけ近い味を目指した商品であったが、当初は豚肉の特性に合わせた調理法や味付けが不完全だったため、低評価を下した客も少なくなかった。その後地道な改良を重ねて豚肉により合った調理法とオペレーションを築き上げ、独自の味付けに変化することで牛丼とは別の顧客が開拓された。 BSE問題解決により販売終了 その後、オーストラリア産牛肉の輸入やアメリカ産牛肉の輸入再開によって牛丼の販売が再開されたため、なか卯は2005年10月で豚どんぶりの販売を終了した。吉野家・松屋・すき家では牛丼の販売再開後も豚丼の販売を続けてきたが、まずすき家が「牛丼の代替品の役目を終えた」、「主力の牛丼とカレーを値下げするため」として、2009年4月23日に豚丼の販売を休止した。 吉野家は2011年12月8日に「焼味豚丼 十勝仕立て」という名称で帯広系豚丼である焼味豚丼の販売を開始し、従来タイプの豚丼の販売を終了した。また松屋も2012年1月9日に店頭メニューとしては販売を終了し、店頭およびインターネットでの冷凍個食パックの販売のみ継続とした。 復活 牛丼に似せた代用品として販売開始された商品であったが、牛丼の再開後も豚丼を好む客層があった。牛丼より価格が安いことのほか、「味があっさりしていて食べやすい」「豚丼が好き」「牛肉があまり好きではない」などの声もあったという。2009年にすき家が豚丼の販売を休止したときもすき家では「一定比率の売上はあった」としていたほか、吉野家・松屋でも牛丼に次ぐ売り上げがあった。上記3社とも牛丼の代用品としての豚丼の販売は休止したが、期間限定での復活販売を行ったり、豚肉を使用した丼物(吉野家の焼味豚丼や塩豚丼、松屋の塩キャベツ豚丼や生姜焼き丼、すき家の豚生姜焼き丼や豚カルビ丼など)の開発と販売は断続的に行われていた。 そして、すき家は2015年から、吉野家は2016年から、松屋は2022年2月1日から、豚丼のレギュラー販売を再開した(一時終売していた時期を含む)。2022年7月現在では吉野家以外は販売終了している。
※この「牛丼チェーン店系豚丼」の解説は、「豚丼」の解説の一部です。
「牛丼チェーン店系豚丼」を含む「豚丼」の記事については、「豚丼」の概要を参照ください。
- 牛丼チェーン店系豚丼のページへのリンク