爆発原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 09:02 UTC 版)
「メイン (ACR-1)」の記事における「爆発原因」の解説
原因は今日に至るまで特定されておらず、諸説がある。何れも弾薬庫の爆発を沈没原因とする点は同じだが、その誘因として機雷説、積載燃料(石炭)の自然発火による引火説、対スペイン開戦を狙った米国による自作自演説、の主に三つの説が唱えられている。米国にとっては米西戦争の評価とも関連する大問題であるためか、以来何度も大規模な調査と論争が繰り返されている。 事件直後にスペイン政府により実施された調査では、石炭の自然発火説が支持されたが、これは米国のメディアでは広く報道されなかった。 1898年3月28日にアメリカ海事審判所は機雷が爆発の原因と断定した。この機雷をスペインのものとする証拠があった訳では無いが、これは米西戦争を正当化する根拠の一つとして政治的に利用された。 1911年、ハバナ湾底に放置されたままのメイン号の残骸が船舶の障害となることが懸念され、引き揚げて別海域に再投棄することになった。この際、引き揚げられた残骸についてアメリカ海事審判所により爆発原因の再調査が実施された。結論は1898年のものをおおむね踏襲したが、細部の分析結果には不一致点がある。 1976年、米国海軍のハイマン・リッコーヴァー提督が再調査を指揮し、結論として機雷説は退けて艦内に原因があったとした。艦内で何が起きたのかは特定に至らなかったが、リッコーヴァー個人としては石炭の自然発火説を有力と考える旨を表明した。 1999年、ナショナル・ジオグラフィック誌が海洋開発・調査会社であるAdvanced Marine Enterprises (AME) に調査を委託し、コンピュータモデリング等新たな技法を用いた調査が行われた。ここでも石炭の発火説が支持されたが、一部で機雷説を支持する所見も得られたと発表した。これに対して旧リッコーヴァー調査に従事した専門家や AME 自身の一部メンバーからも異論が出、以後論争となった。
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