煉獄篇 Purgatorioとは? わかりやすく解説

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煉獄篇 Purgatorio

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 22:47 UTC 版)

神曲」の記事における「煉獄篇 Purgatorio」の解説

煉獄は、地獄抜けた先の地表聳える台形の山で、ちょうどエルサレム対蹠点にある。「浄火」あるいは「浄罪」とも言う。永遠に罰を受けつづける救いようのない地獄の住人異なり煉獄においては悔悟達した者、悔悛余地のある死者がここで罪を贖う煉獄山の構造は、下から昇るごとに幾つかの段階分かれている。亡者煉獄山の各階生前になした罪を浄めつつ上へ上へと登り浄め終えるとやがては天国到達するのである地獄抜け出したダンテウェルギリウスは、煉獄山の麓で小カト対面するペテロの門の前でダンテ天使の剣によって額に印である七つの P を刻まれた。P は煉獄山の七冠で浄められるべき「七つの大罪」、Peccati を象徴する印である。そして、ウェルギリウス導かれて山を登り生前の罪を贖っている死者語り合うダンテ煉獄山を登るごとに浄められ、額から P の字が一つずつ消えていく。 山頂ダンテ永遠淑女ベアトリーチェ出会うウェルギリウスキリスト教以前生れ異端者であるため天国案内者はなれない。そこでダンテウェルギリウス別れベアトリーチェ導かれて天国へと昇天する煉獄山の構造 煉獄前域 - 煉獄山の麓。小カトがここに運ばれる死者見張る第一台地 破門者 - 教会から破門された者は、臨終において悔い改めても、煉獄山の最外部から贖罪の道に就く。 第二台地 遅悔者 - 信仰怠って生前悔悟遅く臨終に際してようやく悔悟達した者はここから登るペテロの門 - 煉獄山の入口それぞれに色の異な三段階段上り金と銀の鍵をもって扉を押し開く第一高慢者 - 生前高慢の性を持った者が重い石を背負い、腰を折り曲げるダンテ自身はここに来ることになるだろうと述べている。 第二嫉妬者 - 嫉妬に身を焦がした者が、瞼を縫い止められ盲人のごとくなる。 第三憤怒者 - 憤怒悔悟した者が、朦朦たる煙の中で祈り発する第四怠惰者 - 怠惰に日々過ごした者が、ひたすらこの冠を走り回り煉獄山を周回する第五貪欲者 - 生前欲深かった者が、五体を地に伏して嘆き悲しみ欲望消滅させる第六暴食者 - 暴食明け暮れた者が、決して口に入らぬ果実前に食欲節制する第七愛欲者 - 不純な色欲耽った者が互いに走りきたり、抱擁交わして罪を悔い改める山頂 地上楽園 - 常春楽園煉獄で最も天国に近い所で、かつて人間黄金時代住んでいた場所という。

※この「煉獄篇 Purgatorio」の解説は、「神曲」の解説の一部です。
「煉獄篇 Purgatorio」を含む「神曲」の記事については、「神曲」の概要を参照ください。

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