漢語としての霊性
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漢語・中国語としての霊性(繁体字: 靈性、簡体字: 灵性、拼音: líng xìng)には、以下のような語義がある。 1. 聡明な天性、才知、能力、事物を感受したり理解する能力。 この意味での霊性の用法は、韓愈の芍薬歌「嬌痴婢子無靈性,競挽春衫來比並」や紅楼夢、魯迅、 郁達夫などがある。 この用法は日本では北原白秋の「桐の花」(1913年)で「夜が更け、空が霽れ、蒼褪めはてた経験の貴さと冷たい霊性のなやみを染々と身に嗅ぎわけて、哀傷のけものは今深い闇のそこひからびやうびやうと声を秘そめて鳴き続ける。」「何たる神秘、落ちついた真青な輝き……暗い深夜の秘密に密醸された新鮮な酸素の噎びが雨後の点滴と相連れて、冷たい霊性の火花も今真青に慄わなゝき出した。」「譬へ天真の稚気と信実とが絶えず心の底に昼の蝋燭の様にちろろめいてゐたにもせよ、馴れ過ぎた天の恩寵と世の浅はかな賞讃とが何時しか汝の貴重な霊性を盲目にした。」などがある。 2. 動物が人間によって教えられた知恵、動物の利口さを指す用法もある。 3. 精神、精気。この用例には、南朝宋の顔延之の《庭誥》之二「未能體神,而不疑神無者,以為靈性密微,可以積理,知洪變欻怳,可以大順。」や、 梁の沈約の『釋迦文佛像銘』に「眇求靈性,曠追玄軫,道雖有門,跡無可朕。」がある。 4. 宗教的悟性(理解力)。この用例には、明の陳汝元の『金蓮記•郊遇』に「自家叫做佛印,生來有些靈性,只為了悟一心,因此削光兩鬢。」 とある。 5. 霊魂。この用例には、元の無名氏《朱砂擔》第四摺「我只道你靈性歸天上,卻元來幽魂沉井底。」、清時代の呉騫《扶風傳信録》「妾得寵于君,性尤妒,宮中之人,多被讒害,因此落劫,然靈性不泯,隨即修行,今已閲七世矣!」 などがある。
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