海岸の利用と保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 09:38 UTC 版)
海岸は古来、食糧を得るために漁が行われてきた場所である。現代では釣りや潮干狩りなどの遊びやレジャーの場ともなっている。砂浜は海水浴場となる。 海岸の中でも美しい景観の場所は観光名所ともなる。 海岸は、砂浜ならば、漁師の舟(小さなボート)を乗り上げ、ロープなどで引っ張り「陸揚げ」することはできる。古来行われており、今でも世界各地の砂浜で漁師の小舟が乗り上げているのを見ることができる。だが砂浜でも中型~大型の船は、大きすぎ、重過ぎて、また船底の形も陸揚げに向かないので、陸揚げすることは基本的にはできない。岩場などは(船というのは船底が擦ると傷んでしまうので、特に岩場で座礁すると船底に穴が空いてしまうので)大抵は自然の地形そのままで利用することは困難で、何らかの造成が必要となることが多い。たとえばフェニキア人の国家カルタゴは建築技術を用いて石材やモルタルを用いて大きな港を建造し国際海洋国家として繁栄し、ローマと対等に競い合った。日本では鎌倉時代、鎌倉の浜では(大きさ15~数十cmほどの)石を大量に投げ入れて船着き場・荷降ろし場を人工的に作り海運に役立てた。それは今も(なかば水没する形だが)遺跡として残っている。現代では海岸を船着き場として活用する場合は、結局、コンクリートで工事をすることが一般的である。 土地を増やしたい場合に海岸付近の海が埋め立てられ埋立地となる。またゴミ処分のために埋立地が作られることもある。埋立地の用途はさまざま。現代では工業地帯や空港などが建設されることも多い。 海岸が浸食されては困る場所では、消波ブロック(テトラポッド)の設置などにより、侵食を防ぐ処置が行われている。 上流のダム・砂防ダム、あるいは海岸の防波堤などを建設したことの悪影響で、砂浜の中には砂の供給が減少し、消滅していってしまうものもある。養浜が行われる場所もあるが、多額の費用をかけた割に砂が定着せず流出し、失敗してしまうこともある。 人類が日常的に世界各地の川で投棄したゴミが、海へと流れてゆき、海岸に打ち上げられ、結局、海岸の大量のゴミとなっている。漂着ゴミ(海洋ゴミ) 海洋投棄された廃棄物や貨物船の事故などにより流れ出た積載物や重油などによってもまた、海岸は汚染される。
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