海女の道具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 15:15 UTC 版)
磯ノミ アワビを岩から剥ぐ(起こすと言う)ときに使用される。 磯ノミは、柄ノミ(エノミ)とカギノミの二種類がある。 柄ノミは手で握るところに木の柄がついている。柄には魔よけの印であるドーマン(九字)・セーマン(五芒星)を彫らなければならない。 カギノミは鉄のヘラ状で、片側がカギ型に作ってある。カギノミはアワビを剥ぐ場合のほか、ウニやサザエを岩の間からかき出しやすいという理由で、多く使われている。 磯桶 「イソ桶」、「イソモン桶」といい、高さ30~35cm、直径60cm位の大きさで、材質はサワラやスギが使われている。 ハンギリと言う直径90cmを超える大きな桶はアラメ刈り等に使用されている。 磯桶はアワビやサザエなどの収穫物を入れるとともに、浮上して息を整えるときの浮き輪の役割も果たしている。 最近では「タンポ」とも呼ばれ、ゴムのチューブ状で、太さ12cm前後、外径60cm前後の輪に、内側いっぱいにスカリ(採取物を入れる袋)を付けたものを使うことが多くなっている。内部にスカリを付けた方法は、収穫した貝類が海水に浸っているため、鮮度が良いのが利点。 さらに、ゴムのチューブが発泡スチロール製に変わってきている。 海で使用する場合は、浮き輪の横に50cmくらいの旗を揚げて目印にする。 磯桶は、磯メガネ、磯ノミと共に海女の最も基本的な道具のひとつ。 磯笛 海人が呼吸を整えるときに一度に息を吐き出すため、ヒューという音が出る。これを磯笛と呼ぶ。 かまど 海女小屋(漁師の番屋のようなもの)は「かまど」と呼ばれる。漁の前と、漁を終えた後に、体を温めたり、着替え、休息や食事を得るための小屋。名前の通り、簡易ないろりや、暖を取る設備が必ずある。海女が観光地化されている地域では、併設された観光客向けの飲食施設を「◯◯かまど」と名付けている例も多い。
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