沖縄への進出、3ヶ月での撤退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 15:40 UTC 版)
「エアトランセ」の記事における「沖縄への進出、3ヶ月での撤退」の解説
2007年3月15日には、自社ホームページにて那覇空港 - 沖永良部空港に2往復、下地島空港に1往復の就航が発表された。沖縄地区での予約はエアードルフィンで受け付けることとなっていた。 2007年4月1日、那覇空港より沖永良部空港および下地島空港へ就航した。特に下地島空港便は1994年に日本トランスオーシャン航空が撤退して以来、約13年振りの航空路線ということもあって注目され、運航初便は那覇空港発が75%、下地島空港発が満席と幸先の良いスタートとなったと思われた。 2007年6月に機体整備による沖縄路線の9日間計画運休が発表されたが、下地島空港便の4月の月間搭乗率が15.7%と目標を大幅に下回ったこともあって、その後運休期間の延長が発表された。一時休止でありこのまま撤退することはないとしたものの、5月中旬の時点でエアードルフィンに対し、搭乗率低迷に加えて乗員不足により北海道での運航に影響が出る恐れがあるとのことで、沖永良部空港便も含めた沖縄路線からの撤退を申し出ていたことが報じられている。沖永良部空港便はエアードルフィン自社運航に戻り、下地島空港便は休止となる。 特に下地島空港便は、競合する那覇空港 - 宮古空港便(下地島・伊良部島と宮古島間は高速船で15分)において、座席数に限りがあるものの、事前購入型割引運賃で最低5,000円からの価格を打ち出しており、離島特別割引(往路が宮古空港発の往復割引)では11,000円前後であった。対してエアトランセは普通運賃18,000円、島民割引でも15,000円としていた。価格設定に加えて1日1往復と利便性も悪く、関係者の間では撤退は時間の問題とされていた。 収益改善を目指した沖縄進出も、約3ヶ月で撤退することとなった。「長い目で計画を立てて欲しかった」とエアードルフィン社長に苦言を呈されるなど、かねてから指摘されていた慢性的な乗務員不足、市場リサーチ不足や事業計画の見通しの甘さを改めて露呈することとなった。
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