気候区分の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 03:37 UTC 版)
「ウラジミール・ペーター・ケッペン」の記事における「気候区分の研究」の解説
海上気象部を去ったケッペンは、気候について体系的な勉強をはじめ、気球を使って上空の大気に関する研究も行った。1884年には、気温の季節変動について記した、最初の気候区分地図を発表した。これは、1900年頃までには、ケッペンが生涯をかけて改良に尽くした気候区分システムに発展する。ケッペンの気候区分システムとしての完全版は1918年に最初に出版され、1936年にはその最終版が出版された。 ケッペンの気候区分の実用的性格としては、植生とくに高等植物と気候を結びつけた点である。高等植物は、移動性が低く、強い集団性をもっており、景観に与える影響がきわめて甚大である。また、植物は生態学的にみて、生物界における有機物の第一次生産者であり、これにより、植物を食糧ないし住み処とする動物分布も規定される。人類もまた、食糧生産の多くを植物に依存しており、農耕の歴史とともに諸文明の歴史がある。さらに植生は、その厚みや密度が土壌の形成や、場合によっては微地形にさえも大きな影響を与え、微生物の生育環境を左右する。こうしたことから、農業をはじめとする諸産業の各分野、人口分布をはじめとする社会・経済などの分野、歴史学・考古学・人類学・民俗学など人文諸科学の分野でも、ケッペンの気候区分は広範囲の実用に供することができたのである。
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