民俗音楽・民話伝承が受け継がれる過程
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「ゾラ・ニール・ハーストン」の記事における「民俗音楽・民話伝承が受け継がれる過程」の解説
ハーストンの才能を認めていたワンシュ教授は短編「金メッキ硬貨」をリッピンコット社(リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス)に送ったところ、バートラム・リッピンコット社長に認められ、出版されることになった。ハーストンはリッピンコット社長に長編小説は書いていないのかと尋ねられ、書いていると偽って早速執筆に取りかかり、初の長編小説『ヨナのとうごまの木』を9週間で書き上げた(翌34年出版)。 同年、アフリカ系アメリカ人の文化・教育を支援するローゼンウォルド基金から助成金を受けた。ハーストンはまた、早くからアフリカ系アメリカ人の宗教歌や労働歌の録音に取り組み、1935年からアラン・ローマックス、メアリー・エリザベス・バーニクルとともにアメリカ議会図書館の民俗音楽コレクションのための録音・収集活動を行った。 同じ頃、グッゲンハイム・フェロー(芸術関連助成金)を2度受けてジャマイカのキングストンやハイチで行った調査活動は、『ヴードゥーの神々 ― ジャマイカ、ハイチ紀行』として結実した(1938年出版)。 1935年、黒人民話のアンソロジー『騾馬とひと』を発表した。故郷イートンヴィルでの聞き取りに基づくものであり、現場で人々と関わりながら物語を記録していくという演劇的な設定である。ここでもこれまでの民話の戯曲化・上演の場合と同様に、民俗学者としてフィールドワークの結果を報告するという客観的・静的な活動に留まらず、これを語りの場を含めた民話の伝統の生成過程、民間伝承が受け継がれる過程として再現している。 ニューディール政策の一環として設置された公共事業促進局の連邦作家計画(英語版)においても同様である。ハーストンはこの計画に基づいて行ったフィールドワークの成果を共著『フロリダ・ニグロ』として発表する一方、収集した民俗音楽を自ら歌とパフォーマンスで再現している。
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