氏の法的性格とは? わかりやすく解説

氏の法的性格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 15:22 UTC 版)

「氏」の記事における「氏の法的性格」の解説

既述のように1898年明治31年)に公布され民法では「戸主及ヒ家族ハ其家ノ氏ヲ称ス」と規定されていた(明治民法746条)。しかし、第二次世界大戦後における家族法の大改正の際、旧来の家制度日本国憲法の理念と相容れなかったことから廃止された。氏の制度について存続したが、社会習俗上はともかく、法制度上は家という拠所失ったため、その法的性格どのように考えるかが問題となった現行法上の氏の法的性格については、 個人呼称説(氏は純粋に各人同一性識別するための個人呼称であるとする説) 血縁団体名称説血統名説とも。氏は各人属す血縁団体血縁)の名称であるとする説) 家族共同体名称説家族共同名説とも。氏は各人属す家族家族共同体家族共同態)の名称であるとする説) 同籍者集団名称説(同籍者名説とも。氏は戸籍編製基準となる同籍者集団の名称であるとする説) 多元的性格説(氏の法的性格について多元的理解すべきとする説) など見解多岐に分かれている。このうち個人呼称説現在の民法学上の通説であるとされるが、近時、氏には人の同一性明らかにするとともに現実家族共同生活をする個人共通する呼称としての性格併せもっているとの見解が有力になっている現行法上、氏の異同原則として実体権利関係伴わないものとされる復氏姻族関係には互いにつながりはないこと、父の認知直ちに子の氏に影響与えことはないこと、氏の異同扶養義務相続権影響しないことなど)。ただし、例外的に祭祀財産承継戸籍編製については氏を基準としている。

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氏の法的性格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 09:25 UTC 版)

氏名」の記事における「氏の法的性格」の解説

古来より、個人いずれの血族集団または家族集団属する者かを示すために姓あるいは氏の制度認められた。儒教思想の下での同姓不娶・異姓不養の原則でいう姓が血族集団を示すものであるに対して明治民法下での氏は家族集団である「家」の名称を示すものとされ、そこでは「戸主及ヒ家族ハ其家ノ氏ヲ称ス」と規定されていた(明治民法746条)。 戦後親族法改正時においても、氏については日本における習俗国民感情考慮して存続されることとなった。しかし、旧来の家制度については廃止され現行法の下での氏の法的性格について以下のような見解分かれている。 個人呼称説 氏を純粋に各人同一性識別するための個人呼称とみる説。現在の民法学上の通説であるとされる血縁団体名称説血統名説) 氏を各人属す血縁団体血縁)の名称とみる説。ただ、本来、中国の姓のように氏姓血統表している場合には、姓は出生によって定まるもので婚姻によっても変更されない。したがって、この説では現行の日本法における夫婦同氏の原則説明するのに難があるとの批判がある。 家族共同体名称説家族共同名説) 氏を各人属す家族家族共同体)の名称とみる説。 同籍者集団名称説(同籍者名説) 氏を戸籍編製基準となる同籍者集団の名称とみる説。この説に対しては氏の取得変更民法定め戸籍法において反映されるべきもので本末転倒すべきでないとの批判がある。 多元的性格説 氏の法的性格について多元的理解すべきとみる説。近時、氏には人の同一性明らかにするとともに現実家族共同生活をする個人共通する呼称としての性格併せもっているとの見解が有力になっている

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