段落の特定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:17 UTC 版)
おおむね次のような形式による。 区分改正規定の引用の例改正規定の例備考原則 規定の一部を改める改正規定 第一条の改正規定 ・ 第一条中「□□□」を「◇◇◇」に改める。 ・ 第一条第二項を削る。 規定の一部を改める改正規定のみを表す場合には、単に「第一条の改正規定」とすれば足りる。 要素レベルで改正規定を把握する立場では、規定の一部を改める改正規定とそれ以外の改正規定とは、常に別の改正規定と捉えることとなるため、事実上、「第一条の改正規定」という表現のみを用いる。全部を改める改正規定についても、同様である。 なお、規定中の字句の改め、削り及び加え並びに規定の細分の改正は、いずれも当該規定のレベルでは、「改め」となる。 第一条を改める改正規定 本則中「□□□」を「◇◇◇」に改める改正規定 本則中「□□□」を「◇◇◇」に改める。 このような特定の仕方は、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案中修正(第177回国会閣法第2号)に用例がある。 この場合に、単に「本則の改正規定」とすると、本則中の条項の改正規定全てを引用することとなってしまうためと考えられる。 なお、理論的には、「本則中「□□□」を削る改正規定」や「本則中「□□□」の下に「◇◇◇」を加える改正規定」という表現も考えられる。 規定の全部を改める改正規定 第一条の改正規定 第一条を次のように改める。 第一条・・・。 規定の全部を改める改正規定のみを表す場合には、単に「第一条の改正規定」とすれば足りる。 第一条を改める改正規定 国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(第164回国会閣法第37号)に例がある。 規定を移動する改正規定 第一条を第二条とする改正規定 第一条を第二条とする。 基本的には、移動のみを単独で行うことはない。 第一章中第二条を第三条とする改正規定 第一章中第二条を第三条とする。 規定を削る改正規定 第一条を削る改正規定 第一条を削る。 規定を加える改正規定 第二条の次(前)に一条を加える改正規定 第二条の次(前)に次の一条を加える。 第三条・・・。 題名や見出しなどの場合には、「付する改正規定」とする。 第一条にただし書を加える改正規定 第一条第二項に次のただし書を加える。 ただし、・・・。 第一条に後段として次のように加える改正規定 第一条に後段を加える改正規定 第一条第二項に後段として次のように加える。 ・・・。 第一条第二項第三号に次のように加える改正規定 第一条第二項第三号にニを加える改正規定 第一条第二項第三号に次のように加える。 ニ・・・ 「次の~を加える」や「~として次のように加える」のように、何を加えるかが改正規定の柱書き中に明示されていない事例 後者は、情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成23年法律第74号)第30条に「・・・別表第一第四号・・・ヘの次にトからリまでを加える改正規定」等と引用した例がある。 複合的改正 規定の一部を改め、かつ、移動する改正規定 第一条を改め、同条を第三条とする改正規定 第一条第一項を改め、同条第三項を削り、同条を第三条とする改正規定 第一条第一項の改正規定、同条第三項を削る改正規定及び同条を第三条とする改正規定 第一条の改正規定(ほかに第一条の改正規定がない場合) 第一条第一項中「□□□」を「◇◇◇」に改め、同条第三項を削り、同条を第三条とする。 第一条第一項の改正規定及び同条第三項を削り、同条を第三条とする改正規定 第一条第一項の改正規定並びに同条第三項を削る改正規定及び同条を第三条とする改正規定 第一条の改正規定(ほかに第一条の改正規定がなく、かつ、2段落ともを引用する場合) 第一条第一項を次のように改める。 ・・・。 第一条第三項を削り、同条を第三条とする。 規定を削り、移動し、加える改正規定 第三条を削り、第二条を第三条とし、第一条の次に一条を加える改正規定 第三条を削り、第二条を第三条とし、第一条の次に次の一条を加える。 第二条・・・。 規定の一部を改め、続けて他規定の全部を改める改正規定 第一条第一項及び第三項の改正規定 第一条第一項の改正規定及び同条第三項の改正規定 第一条第一項中「□□□」を「◇◇◇」に改め、同条第三項を次のように改める。 3・・・。 章の境界にある条を移動する改正規定 第三条(第一項)を改め、第二章中同条を第四条とする改正規定 第三条(第一項)の改正規定及び第二章中同条を第四条とする改正規定 第三条第一項中「□□□」を「◇◇◇」に改め、第二章中同条を第四条とする。 参法では、改正規定を特定するのに、必ずしも「第二章中」と明示しなくてもよいとされる。 複数の規定を移動する改正規定 第四条を第五条とし、第三条を第四条とする改正規定 第三条及び第四条を一条ずつ繰り下げる改正規定 第四条を第五条とし、第三条を第四条とする。 第四条を第五条とし、第一条から第三条までを一条ずつ繰り下げる改正規定 第一条から第四条までを一条ずつ繰り下げる改正規定 第四条を第五条とし、第一条から第三条までを一条ずつ繰り下げる。 改正規定の改正 改正規定の一部を改める改正規定 第一条の改正規定の改正規定 第一条の改正規定を改める改正規定 ・ 第一条の改正規定中「□□□」を「◇◇◇」に改める。 ・ 第一条の改正規定中同条第二項を削る。 改正規定の全部を改める改正規定 第一条の改正規定を次のように改める。 第一条に次の一項を加える。 2・・・。 改正規定を削る改正規定 第一条の改正規定を削る改正規定 第一条の改正規定を削る。 改正規定を加える改正規定 第一条の改正規定の次に次のように加える改正規定 第一条の改正規定の次に次のように加える。 第二条中・・・改める。 次の点に留意する必要がある。 まず、閣法、衆法及び参法でおおむね一致する取扱いについては、次のとおりである。 改正前後で、改正の種類が変わっても構わない。例えば、規定の全部を改める改正規定を規定の一部を改める改正規定に改める、規定を削る改正規定を規定の一部を改め、移動する改正規定に改めるなどである。 複数の段落を同時に引用することができる。例えば、「第一条の改正規定」として、第一条第一項を全部改める改正規定及び同条第二項を第三項とし、同条第一項の次に一項を加える改正規定を引用するなどである。 改正前後で段落数が増減しても構わない。例えば、第一条第七項を同条第八項とし、第六項の次に一項を加える改正規定を、第一条第七項を同条第九項とし、同条第六項を同条第七項とし、同項の次に一項を加える改正規定及び第一条第五項の次に一項を加える改正規定に改めるなどである。 連続する段落を同時に引用する場合には、それぞれの段落を順に引用して「第一条第一項の改正規定及び同条第二項の改正規定、第二条の改正規定並びに第四条の改正規定」等のようにする。なお、衆法では、各段落に含まれる改正要素同士を「及び」で結び、段落同士を「並びに」で結ぶものとされている。 そのほか、次のとおりである。 改正前後の改正対象の異動について衆法では、改正前と改正後とで、改正対象に異動が生じても構わない。例えば、第一条の改正規定を第三条の改正規定に改めるなどである。 参法では、改正前と改正後とで、改正対象がおおむね対応する必要があるとする。例えば、第一条の改正規定を第一条第一項の改正規定及び同条第三項の改正規定に改めることはできる。しかし、第一条の改正規定を第三条の改正規定に改めることはできない。 複合的改正規定の処理について衆法では、段落に含まれるそれぞれの改正要素を「改正規定」の単位として引用する。ただし、移動の前後に行う削り・加えの要素は、移動と一体として扱う。例えば、「第一条を削り、第二条を第一条とし、同条の次に一条を加える改正規定」を分解して、「第一条を削る改正規定、第二条を第一条とする改正規定及び同条の次に一条を加える改正規定」のように表現することはできない。 参法では、段落レベルの改正にあたっては、段落を「改正規定」の単位として引用する。ただし、要素レベルの改正にあたっては、各要素を「改正規定」の単位として引用すれば足りる。
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