歴史法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:13 UTC 版)
歴史はある法則に基づき一定の方向へ進んで行くものという考えがある。近代において主流となっていた啓蒙主義や唯物史観においては歴史法則の発見が主要な研究目標とされ、20世紀前半はマルクスの発展段階説、冷戦後は文明の衝突論、歴史の終わり論などが大きな影響を与える形で歴史法則研究が続けられてきた。しかし実証主義を基幹とする今日の歴史学では、基本的に一回性の連続であり、こうした普遍的・絶対的な歴史法則が存在するとする意見は批判が強い。また仮に何らかの法則性が存在したとしても、歴史は人類文明に存在する全ての要素から構成されている極めて複雑な概念であり、その要素が全て解明されでもしない限り、普遍的法則を構築することは困難である。ただ論者によっては緩やかな法則(傾向法則)であれば解明は可能とする論者も存在する。とはいえ法則のように見えるものは概ね一つの仮説に過ぎず、例えば唯物史観は正しいか、そうでないかということではなく、それが歴史的事象を的確に説明できる限りにおいて正しいものと考えられる。
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