欧米における共同親権の歴史
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「共同親権」の記事における「欧米における共同親権の歴史」の解説
欧米における共同親権は、以下のような歴史を持つ。3つの時期に分けることができる。 19世紀までローマ法以来、子供は、父親の財産や持ち物として扱われた時代が長く続いた。イギリスでも、コモンロー(不文の判例法)の下で、親権は父親の固有の権利とされた。 1900年以後野生児の研究やゲゼルの双子の研究など、子供の発達の研究が行われるようになった。子供が言語を獲得する過程や、精神的に発達する過程で、母親との交流が重要な役割を果たしていることが明らかにされた。また施設入所などにより親との接触が無くなると、子供の精神発達が遅れる場合があることが知られるようになった。こうしたことから、子供の健全な発達には、母親と子の手厚い交流が不可欠であることが認識されるようになった。 1960年以後ワーラーステインの事例的研究や、ヘザリントンの統計的研究が行われ、父親がいない家庭で育った子供は、精神的な問題を抱えることが多いことが明らかにされた。父親がいない家庭で育った子供は、両親がそろった家庭で育った子供と比較して、平均して、精神的トラブルをより多く抱え、学業成績がより悪く、社会に出てからの地位がより低く、結婚しても離婚に終わりやすいなどの特徴が認められた。 子供は、父親の持ち物ではなく、母親の体の一部分でもない。子供自身の利益が尊重される必要がある。共同親権とは、子供の側から見れば、二人の親を持つ権利である。二人の親と十分な関わりを持って育てられる権利である。こうした、子供の利益の尊重や、子供が二人の親を持つ権利の保障は、「児童の権利に関する条約」にまとめられ、1989年に国連総会で採択された。ただし、アメリカは未だに「児童の権利に関する条約」を批准しておらず、アメリカでは同条約は効力を持たない。同条約を批准していないのは、世界でソマリアとアメリカの2か国だけある。 各国の共同親権法は、子供の発育に両方の親がかかわることを求めるものであり、二人の親を持つという子供の権利を守るものである。 ほぼ全ての南北アメリカ大陸諸国、ほぼ全てのヨーロッパ諸国、オセアニア両国、アジアの中国・韓国が、結婚中も離婚後も共同親権である。「2人の親を持つのは子供の権利であり、親が結婚していようと、いまいと関係がない。」とされている。 先進国における親権のあり方については以下のとおりである。
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