欧州連合法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 15:13 UTC 版)
伝統的に、欧州共同体法は、それが民事的なものであれ、刑事的なものであれ、行政的なものであれ、いずれにせよ自動的に(規制命令の場合)又は国内立法により(指示の場合)フランスの国内法に変換されるものと考えられてきた。 しかしながら、2005年11月に欧州委員会は声明を発表し、欧州司法裁判所の決定(欧州連合は、環境汚染に対処するための立法に実効性を持たせる必要があるので、その構成国に対して刑事法の新設を要求する権利を有すると判決したもの)に基づき(そういってよいのかは多少争いがある。)、欧州委員会は、アメリカ合衆国で制定されている連邦法にならって、1ダース程度の欧州連合刑事犯罪を創設する意向であると述べた。実際、法務内務委員フランコ・フラッティーニが率いる欧州委員会は、欧州司法裁判所の決定が創り出した原理は、環境汚染に限らず、あらゆる政策について妥当すると主張している。 続いて、2006年5月には、欧州委員会は欧州議会及び欧州閣僚評議会(これらは欧州委員会と共同で決定する権限を有する)に対し、こうした権限を実際に行使することを目的とする指令の第一次草案を公式に提出した。この草案は、模造(例えば、自動車部品、薬品、児童用玩具など)に関するもので、すべての加盟国に対して、草案が「組織的な模造者」と呼んでいる対象者に4年以下の刑務所収容及び30万ユーロ以下の罰金を科すことを求めている。この指令案に対して、欧州議会と欧州閣僚評議会(後者は賛成多数で可決した。)が賛成するのか反対するのかが注目される。
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