機器と構成要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/17 09:21 UTC 版)
ダイバータ 炉内から「ヘリウム灰」と呼ぶガスや酸素、水分を取り除くための装置。イオンとなってプラズマ中を磁力線に沿って流れているこれらイオン化した不純物を取り除くため、磁力線をダイバータ部まで延ばしてダイバータの固体壁に衝突させて結合させ、中性化された原子や分子を真空ポンプで排気する。実際はイオン化粒子がダイバータの表面に衝突したときに、逆に壁面の原子が叩き出されるスパッタリング現象が起きて不純物が出てしまう。 アーマ材 熱や粒子によりアーマ材に下記の損耗が生じる粒子の衝突で物理的に叩き出される物理スパッタリング 粒子との化学反応で表面が変質する化学スパッタリング (例:4H + C → CH4 や 4D + C → CD4 など) 粒子の運ぶ熱が表面を融解・蒸発させる これらのアーマ表面の原子の一部はイオンとなってプラズマの内部に入り込み、プラズマの放射損失となる。 放射損失は原子量に比例し、低原子量物質の方が損失を小さく出来るため、炭素やベリリウムが第一壁、ダイバータ、リミッターのアーマ材として選ばれる。また原子の結合エネルギーが大きいので物理スパッタリングに有利で、水素に反応しないので化学スパッタリングも防げるタングステンも、アーマ材の候補である。 プラズマディスラプション 10 ms程の短時間だけプラズマがよじれてアーマ表面に接触して、この時の高エネルギーがアーマ材を融解・蒸発させる。 冷却層 ダイバータでは熱の処理の非常に重要でありステンレス鋼による冷却管では高い温度勾配に対応できないため、銅合金製の冷却管が使用される。第一壁ではステンレス管で問題はない。 今後の実用発電での発電効率向上を求めれば、ITERに続く原型炉では約500℃の超臨界水による冷却も考えられている。
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