権威への服従実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 17:38 UTC 版)
「スタンレー・ミルグラム」の記事における「権威への服従実験」の解説
ユダヤ人を両親に持つミルグラムは、ホロコーストが起きたメカニズムを理解するために、権威への服従実験をおこなった。1963年ミルグラムは、彼のミルグラム実験の成果を、「異常心理学・社会心理学ジャーナル」に「服従の行動研究」(Behavioral study of obedience)というタイトルで発表する。それに引き続き噴出した論争を沈静化するために、アメリカ心理学会(American Psychological Association、APA)は、ミルグラムの入会申し込みをその業績の倫理性に関する疑念から退ける事になった。 10年後、1974年になってミルグラムは、その著書『権威に対する服従』(邦訳『服従の心理―アイヒマン実験』)を出版し、アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science)から、服従についての社会的な考察の業績を理由にその年の社会心理学賞を受賞している。彼はこのモデルをベトナム戦争におけるソンミ村虐殺事件の説明にも用いている。もちろん、軍隊における権威の行使、人種や文化的な相違を通しての敵の非人格化なども含めてであるが。1976年、CBSは、服従実験についての映画を放送した。『レベル10』というタイトルで、ミルグラムかと思われる科学者スティーブン・ハンターをウィリアム・シャトナーが演じている。また、ミルグラム自身も、この映画の相談役になっている。 フランスの政治スリラー映画『I as In Icarus』(1979年、日本未公開、主演はイヴ・モンタン)では、重要なシーンでミルグラムの服従実験をモチーフにしたと思われる場面がでてくる。 また、イギリスの3人組の音楽グループ、ミジェットがこの実験に触発され同名の音楽アルバムを出している。タイトルは「ミルグラム・エクスペリメント」で2001年のリリースである。
※この「権威への服従実験」の解説は、「スタンレー・ミルグラム」の解説の一部です。
「権威への服従実験」を含む「スタンレー・ミルグラム」の記事については、「スタンレー・ミルグラム」の概要を参照ください。
- 権威への服従実験のページへのリンク