権利論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:20 UTC 版)
人間に対しては不可侵の権利を認めることが国際人権法や医療倫理等で基礎になっている。功利主義はその考えから人権の不可侵性を認めず、著名なロールズの「正義論」は功利主義へのこうした批判も著す1つの動機となった。一方動物に対しては多くの人を救うためには1頭のヒヒを殺してもいいといった考えがあり、このような見解をロバート・ノージックは「動物には功利主義、人にはカント主義」と表現した。フランシオーン等多くの動物の権利論者は動物も自己を持っているのだから人格として認め、不可侵の権利を認めるべきだと主張する。これに対し動物の権利論に反対する者は、人格は複雑なもので動物には持ちえないと主張することを試みるが、動物も認知能力や道徳能力を持っていたり、限界事例が存在したりする等問題がある。人間が不可侵な人格を持つ理由を、能力に関わらず単に人であるからとすることが最後の防衛線になっているが、これは種差別そのものである。権利の前提は、生存権であり、権利の条件は「心があること」であるという指摘がある。なお、人格中心主義では、自己意識が生存権を与えるとされる。[要文献特定詳細情報]
※この「権利論」の解説は、「動物の権利」の解説の一部です。
「権利論」を含む「動物の権利」の記事については、「動物の権利」の概要を参照ください。
- 権利論のページへのリンク