標準定圧モル熱容量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 09:40 UTC 版)
「定圧モル熱容量」の記事における「標準定圧モル熱容量」の解説
標準状態 (298.15K, 105Pa)の理想系(気体では105 Paの仮想的な理想気体の状態)における物質1モルの定圧熱容量を標準定圧モル熱容量と呼びCPºで表す。標準定圧モル比熱とも呼ばれる。 化学反応において生成系の各物質の定圧モル熱容量の合計と、反応系の各物質の定圧モル熱容量の合計の差を定圧モル熱容量変化ΔCPºと呼び、エンタルピー変化の温度依存性を表すものである。 Δ C P ∘ = ∑ C P ∘ (products) − ∑ C P ∘ (reactants) {\displaystyle \Delta C_{P}^{\circ }=\sum C_{P}^{\circ }{\mbox{(products)}}-\sum C_{P}^{\circ }{\mbox{(reactants)}}} Δ C P = ( ∂ Δ H ∂ T ) P {\displaystyle \Delta C_{P}=\left({\frac {\partial \Delta H}{\partial T}}\right)_{P}} 各物質の標準定圧モル熱容量は、標準生成エンタルピー変化および標準生成ギブス自由エネルギー変化と伴に以下の文献にまとめられ、『化学便覧』などには各温度における定圧モル熱容量が掲載されている。 D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982). 水溶液中のイオンについては常に陽イオンおよび陰イオンの合計として測定されるため、単独イオンの標準定圧モル熱容量は水素イオンを0とし、無限希釈の状態である仮想的な1 mol kg−1の理想溶液の状態とする。 主な物質の標準定圧モル熱容量 CPº物質化学式CPº / J mol−1K−1単原子分子 水素原子 H(g) 20.784 ヘリウム He(g) 20.786 酸素原子 O(g) 21.912 二原子分子 水素分子 H2(g) 28.824 酸素分子 O2(g) 29.355 塩化水素 HCl(g) 29.12 多原子分子 水 H2O(l) 75.291 水蒸気 H2O(g) 33.577 アンモニア NH3(g) 35.06 メタン CH4(g) 35.309 イオン (水溶液) 水素イオン H+(aq) 0 水酸化物イオン OH−(aq) −148.5
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