キルヒホッフの法則 (反応熱)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/28 05:14 UTC 版)
熱化学におけるキルヒホッフの法則(キルヒホッフのほうそく)、または、キルヒホフの法則とは、反応熱の温度係数が反応前後の熱容量の差に等しいという法則である[1]。1858年にグスタフ・キルヒホッフが理論的に導いた[2][3]。狭義の化学反応に伴う反応熱について成り立つだけでなく、溶解熱や希釈熱などの、広義の混合熱についても一般に成り立つ。また、蒸発熱などの、状態変化に伴う潜熱についても適用できる[4]。
出典
- ^ 「キルヒホフの法則」『岩波理化学辞典』第5版 CD-ROM版, 岩波書店.
- ^ Kirchhoff (1858).
- ^ Parks (1945), p. 262.
- ^ 「キルヒホフの法則」『世界大百科事典』平凡社.
- ^ 『ルイス・ランドル熱力学』 p. 71.
- ^ 『ムーア物理化学』 p. 68.
- ^ 川路 (2001), p. 85.
- ^ CODATA Key Values (1989).
- ^ 『化学便覧』表10.127と表10.139の ΔfH° から計算した。
- ^ NBS tables 2-38.
- ^ 『ルイス・ランドル熱力学』 p. 62.
- ^ “Thermophysical Properties of Fluid Systems”. NIST. 2017年12月31日閲覧。
- ^ a b 『バーロー物理化学』p.158.
- ^ a b 『バーロー物理化学』p.155.
注釈
- ^ 例えば、仮に中間生成物が存在した場合を考える。この時、反応経路に沿って、出発物質と中間生成物とのエンタルピー差を求めてから、次に中間生成物と最終生成物とのエンタルピー差を求める手順で、出発物質と最終生成物とのエンタルピー差を出したとする。しかし、結局のところ単に出発物質と最終生成物とのエンタルピー差をそのまま求めた場合と等しくなる。
- ^ ΔH = 0 となる特別な場合、すなわち断熱定圧過程では、ΔrH(T1, P) = −∫T2
T1CP(products; T, P) dT が成り立つ。この式は断熱火炎温度を計算する際に用いられる。断熱過程ではない一般の定圧過程では ΔrH(T1, P) ≠ −∫T2
T1CP(products; T, P) dT である。 - ^ 通常は T0 = 25 ℃ = 298.15 K である。
- ^ 標準蒸発エンタルピーは、圧力ゼロの下にある蒸気のエンタルピーから1気圧(または1バール)の液体のエンタルピーを引いたものに相当する(標準状態#気体の標準状態)。
- ^ T は摂氏温度ではなく絶対温度である。
- 1 キルヒホッフの法則 (反応熱)とは
- 2 キルヒホッフの法則 (反応熱)の概要
- 3 計算例
- 4 脚注
- キルヒホッフの法則 (反応熱)のページへのリンク