構造一般
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 13:55 UTC 版)
鋼材を組み合わせた台枠上に、積載装置である円筒形のタンクを搭載する形態である。積荷である液体・気体・粉粒状物質は包装や梱包をせず、直接タンク内に注入して運搬(バラ積み・バルキー輸送)される。 構造上の特徴として、台枠の中間部が省略可能である点が挙げられる。台枠は鉄道車両にとって車体全体の基礎となる重要な部分であるが、タンク体を頑丈に作って強度を持たせて枕梁(台車取り付け部)の中間部を省略し、枕梁 - 端梁とタンク体を強固に連結する構造(フレームレス構造)としたタキ9900形が1962年(昭和37年)に登場した。 大容積のタンク体が使用可能となる本構造は、後年の改良によって拠点間輸送用のタキ43000形ガソリン専用タンク車に応用された。同形が使用開始されたのち、タンク車の転覆大破を原因とする国内外の重大事故の多発を受け、安全上の懸念からいったんは新製を禁じられたが、本構造の高い輸送効率と安全性とを両立する手法が確立したことから、1982年(昭和57年)にはタンク体の破損防止対策を講じることを条件として再び新製が可能となった。最近の新しいタンク車はこの構造によるものである。 またタンク内部には防波板と呼ばれる仕切りの板が入っており、制動時に中の液体の揺れを抑える働きをしている。この防波板はタンク内部が満タンであることを前提に設計されているため、タンク車を運用させる際は満タン、もしくは空荷で走らせるようになっている。
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