構造の特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 17:45 UTC 版)
「朝鮮鉄道900形蒸気機関車」の記事における「構造の特色」の解説
車輪配置 2-8-2(1D1)の単式2気筒テンダー機関車である。 朝鮮鉄道は私鉄線であり、沿線で産出する低発熱量(1kgあたり4,500kcal/h)の石炭が使用可能なよう火格子面積を2.1m2と広く採った。 このため火室の横幅が広くなり、また燃焼を良好にするため水脚を長く採ったが、762mm軌間故ボイラ中心線を上げることは出来ない。また、そもそも1,067mm軌間の車両に比べ主台枠間隔が狭い点も問題とされた。 鋳物製で後方が極端に大きく広がった後台枠を主台枠の後ろに挿入し、この後台枠の間に火室を収めた。これにより、内径1,200mmのボイラーを載せながら、ボイラー中心高さを1,900mmと低く抑え問題を解決した。またこのような広火室の大型ボイラを1軸従台車と組み合わせると動輪の軸重バランス(後ろへ偏る)が問題になるケースがあるが、本形式ではシリンダ台より前の前台枠を重量2 t の大型鋳物で構成しバランスウエイトを兼ね、ボイラ自体も煙管・煙室を前へ寄せることで重量バランスを採っている。いわゆる「軽便鉄道」の機関車としては超大型の機関車であり、軸距も動軸のみで3,180mm(エンジン部全軸距7,130mm・機関車全軸距11,730mm)とかなり長い。また同社の曲線基準(半径40m)を通過させることも課題となった。 手法としては先従台車に各140mm、第1動輪に10mmの横動を与えたが、図上設計のみならず、原寸大の木製模型を製作し設計通り通るかどうかの確認を行っている。
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