業務に係る雑所得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 07:56 UTC 版)
業務に係る雑所得とは、以下の3条件全てを満たすものであり、そうで無いものはその他の雑所得に分類される。 副業である 営利を目的とする 継続的である 営利目的の業務は、本業(事業所得)、副業(業務に係る雑所得)、非継続的(その他の雑所得)の3つに分かれる。 なお、国税庁の確定申告書等作成コーナーでは異なる基準が書かれていている。 業務に係る雑所得:原稿料、講演料、印税、放送出演料その他人的役務の提供の対価である場合や、自動車の貸付けなど動産の貸付けである。 その他の雑所得:暗号資産の譲渡や暗号資産デリバティブ取引に係る差損益である場合や、還付加算金である。 申告上のルール 2021年分までは、以下のルールとなっている。 発生主義:売掛金も収入金額に含める。 帳簿不要:収入金額(売上)と所得(利益)だけを申告すれば良い。 2022年分より、2年前の業務に係る雑所得の収入金額に応じて以下のようなルールが設けられた。判定基準は必要経費を引く前の収入金額である。売上原価(仕入)は必要経費に含まれる(所得税法第37条)。 300万円以下の場合 現金主義による所得計算の特例が認められる。通常は発生主義として、売掛金が発生した時点で所得に含めないといけないが、現金主義として入金があった時点で所得に含めても良い。逆に300万円超は発生主義にしないといけない。(所得税法施行令第196条の3) なお不動産所得および事業所得の場合は、青色申告で、2年前の所得金額が300万円以下で、「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出することで現金主義に出来るが(所得税法施行令第196条)、青色申告特別控除が10万円に減額される。青色申告の現金主義の方(第196条1項)は第197条に届出書を提出する必要があることが記載されているが、業務に係る雑所得の方(第196条の3)は対象となっていない。 300万円超の場合 現金預金取引等関係書類(領収書など)を5年間保存しないといけない。事業所得等と同様になった。 1,000万円超の場合 総収入金額および必要経費の内容を記載した書類を確定申告書に添付しなければならない。所得税法第120条6項に事業所得等の白色申告での必要書類が規定されているが、その条文に雑所得が追加になり、白色申告と同じ収支内訳書などが必要となる。現金預金取引等関係書類以外に、法令上帳簿の記帳・保存義務は課されていない。 課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超えるなどの場合は、事業所得ではなくとも、消費税法の定める事業に該当するときは、消費税を申告し納付しないといけない。そして消費税の課税事業者は、消費税法の規定で帳簿の作成および7年間の保存が必要。
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