楓_(松型駆逐艦)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 楓_(松型駆逐艦)の意味・解説 

楓 (松型駆逐艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/18 23:30 UTC 版)

終戦後に撮影された「楓」
基本情報
建造所 横須賀海軍工廠
運用者  大日本帝国海軍
級名 松型駆逐艦
艦歴
発注 1942年戦時建造補充(改⑤)追加計画
起工 1944年3月4日
進水 1944年7月25日
竣工 1944年10月30日
除籍 1945年10月5日
その後 1947年7月6日、中華民国へ引渡され「衡陽」となる。1960年に除籍後、解体。
要目
基準排水量 1,262 トン
公試排水量 1,530 トン
全長 100.00 m
最大幅 9.35 m
吃水 3.30 m
ボイラー ロ号艦本式缶×2基
主機 艦本式タービン×2基
出力 19,000 馬力
推進器 スクリュープロペラ×2軸
速力 27.8 ノット
燃料 重油:370t
航続距離 3,500海里/18ノット
乗員 211名 / 290名[1]
兵装
レーダー 二号二型(対水上用)
一号三型(対空用)
ソナー
テンプレートを表示

(かえで / かへで)は、大日本帝国海軍駆逐艦松型(丁型)駆逐隊の17番艦。日本海軍の艦名としては2代目(初代は二等駆逐艦樺型駆逐艦3番艦「」)である。丁型一等駆逐艦第5505号艦として横須賀海軍工廠で建造された。

戦歴

就役後、訓練部隊の第十一水雷戦隊(高間完少将)に編入。瀬戸内海に回航され、訓練の後、1945年(昭和20年)1月20日付で第三十一戦隊(鶴岡信道少将)第五十二駆逐隊に編入され[2]、1月22日に門司を出発するモタ33船団を護衛して台湾に向かう[3]。この頃、第五十二駆逐隊の「」と「」が空襲により損傷して後方に下がるため、「楓」にはその代役として台湾来航が待ち望まれていた[4]。1月27日に基隆に到着後、第四十三駆逐隊の指揮下に入って「」「汐風」とともに高雄に向かった[5]

1月31日朝9時[6]、「楓」は「梅」「汐風」とともに高雄を出撃してルソン島最北端のアパリ英語版へ、フィリピンからの搭乗員救出任務(パトリナオ輸送作戦)とアパリ防衛のための高雄陸戦隊や燃料、車両、弾薬を乗せて向かう[7]。出撃から2時間後、偵察のB-24に発見され[8]、対空砲火で追い払ったものの更なる空襲は必至となった。15時頃、台湾最南端ガランピ岬南方20海里[6]において第14航空軍所属のP-38戦闘機に護衛された第38爆撃航空団所属のB-25爆撃機12機と第35戦闘航空団所属のP-47戦闘機4機の空襲を受ける。「楓」は一番砲後部に被弾して一番砲が使用不能となり、艦橋下部構造物は大破する[9]。艦前部が大きく浸水して大火災も発生し、便乗者を含め54名が戦死したが、応急措置により危地を脱出して沈没は免れた[9]。「梅」は3発被弾の上機械室が破壊され航行不能となり、「汐風」の砲撃によって処分された。その「汐風」も至近弾により右舷高低圧タービン損傷により速力が低下する。輸送作戦は中止となり、3隻は高雄に帰投した。

高雄と基隆で応急修理が行われた後、2月18日に基隆発のタホ船団を護衛して出港[10]。2月19日未明に爆撃を受けた後、船団と分離して単独でに向かい[11]、2月23日に帰投[12]。修理は4月26日まで行われた[13]。復帰後は「」「」に代わって、「」とともに回天目標艦として大津島方面で行動した[14]。8月15日の終戦を航行可能状態で迎え、10月5日に除籍された。

12月1日付で特別輸送艦となり復員輸送に従事する。1947年(昭和22年)7月6日上海中華民国(台湾)に賠償艦として引き渡され、「接二号」と仮命名された後、「衡陽(ホン・ヤン)」と正式に命名された。国共内戦中の1949年5月に淡水に移動し、10月1日に訓練艦隊に編入されて練習艦となった[15]。しかし、機関の状態がよくなく放置され、再武装もされなかった[15]。1960年に除籍後、解体された[15]

歴代艦長

※『艦長たちの軍艦史』368頁による。

艤装員長

  1. 諸石高 少佐:1944年10月10日 -

駆逐艦長

  1. 諸石高 少佐:1944年10月30日 -

脚注

参考文献


「楓 (松型駆逐艦)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「楓_(松型駆逐艦)」の関連用語

楓_(松型駆逐艦)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



楓_(松型駆逐艦)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの楓 (松型駆逐艦) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS