初梅_(駆逐艦)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 初梅_(駆逐艦)の意味・解説 

初梅 (駆逐艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/08 10:01 UTC 版)

初梅
基本情報
建造所 舞鶴海軍工廠
運用者  大日本帝国海軍
級名 橘型駆逐艦
艦歴
計画 1944年度(昭和19年度)計画
起工 1944年12月8日
進水 1945年4月25日
竣工 1945年6月18日
除籍 1945年10月5日
その後 1947年7月6日、中華民国へ引き渡され「信陽」となる
1961年12月1日に除籍後、解体
要目(計画値)
基準排水量 1,262 トン
公試排水量 1,530 トン
全長 100.00 m
最大幅 9.35 m
吃水 3.30 m
主缶 ロ号艦本式ボイラー×2基
主機 艦本式タービン×2基
出力 19,000 馬力
推進器 スクリュープロペラ×2軸
速力 27.8 ノット
燃料 重油 370 t
航続距離 3,500 海里/18ノット
乗員 211 名
兵装
レーダー 22号電探×1基
ソナー 四式水中聴音機×1基
三式探信儀一型×1基
テンプレートを表示

初梅(はつうめ)は日本海軍駆逐艦。仮称4815号艦、橘型(改松型)駆逐艦14番艦として舞鶴海軍工廠で建造され、日本海軍駆逐艦の中で最後の竣工となった。

艦名は「その年初めて開いた、また、咲いてまもない梅の花」のこと[1]

艦歴

竣工後はそのまま舞鶴で訓練、待機し、6月28日舞鶴付近で敵機の攻撃を受け損傷した。7月30日、小浜湾で触雷し着底した「」の救援中、3回にわたり空襲を受け損傷、そのまま舞鶴で終戦を迎えた。10月5日除籍。

12月1日特別輸送艦に指定され、復員輸送に従事。 パガン島に残っていた守備隊(独立混成第9連隊)などを本土に復員させた[2]。 その後、賠償艦として1947年(昭和22年)7月6日に、上海中華民国に駆逐艦「雪風」などとともに引渡され、「接三号」と仮命名された後、「信陽(シンヤン)」と正式に命名された。艦番号は「DD-15」。

「信陽」は艦の状態がよく、日本軍が残した12センチ砲2門、2.5インチ砲三門、40ミリ機銃2門、20ミリ機銃4基などで再武装して中華民国海軍海防第一艦隊に編入された[3]国共内戦中の1949年(昭和24年)4月22日に「逸仙」や「営口」(旧67号海防艦)などとともに共産党軍包囲下の南京を脱出、途中で共産党軍の砲撃により「威海」(旧海防艦194号)が脱落するも上海ついで台湾に到着[3]。「信陽」の修理の際には、状態が悪く早期に解体された同型艦「華陽」(旧「」)の部品が流用された[4]1955年(昭和30年)にはアメリカ製の5インチ単装砲2門、40ミリ単装機銃7門、20ミリ機銃6基などアメリカ海軍制式の兵装に換装された[3]。1956年から1957年までは南巡支隊に所属し、金門島を巡る小競り合いに際して哨戒などの任務に就き、中共艦艇とたびたび交戦した。金門砲戦の際には台湾海峡の警備哨戒に従事した[3]。「信陽」は1961年(昭和36年)12月1日に除籍され解体された[5]

歴代艦長

※『艦長たちの軍艦史』372頁による。

艤装員長
  1. 澤岡信男 大尉:1945年4月30日 -
駆逐艦長
  1. 澤岡信男 大尉[注釈 1]

脚注

注釈

  1. ^ 『艦長たちの軍艦史』には艦長の就任日は記載されていない。

出典

  1. ^ 片桐 1993, p. 458.
  2. ^ 日置英剛『年表 太平洋戦争全史』国書刊行会、2005年10月31日、750頁。ISBN 978-4-336-04719-9 
  3. ^ a b c d 田村 2005, p. 138.
  4. ^ 田村 2005, p. 140.
  5. ^ 田村 2005, p. 139.

参考文献

  • 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』光人社、1993年。 ISBN 4-7698-0386-9 
  • 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』第一法規出版、1995年
  • 田村俊夫「中国に引き渡された日本の賠償艦艇全34隻の足取り」『帝国海軍 真実の艦艇史2』学習研究社〈歴史群像太平洋戦史シリーズ 51〉、2005年。 ISBN 4-05-604083-4 
  • 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年、ISBN 4-7698-1246-9
  • 歴史群像編集部『歴史群像 太平洋戦史シリーズ43 松型駆逐艦』学習研究社、2003年、ISBN 4-05-603251-3

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「初梅_(駆逐艦)」の関連用語

初梅_(駆逐艦)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



初梅_(駆逐艦)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの初梅 (駆逐艦) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS