桜デパートとは? わかりやすく解説

桜デパート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 01:32 UTC 版)

株式会社 桜デパート[1][2]
桜デパートグループのロゴマーク(画像右、2007年)
関連企業の桜観光は現在も存続している。
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
鹿児島県鹿屋市北田町2-1[1]
設立 1945年昭和20年)12月8日[1][2]
業種 小売業
事業内容 百貨店の運営
代表者 代表取締役社長 立元明光[1]
資本金 1700万円[2]

2000万円[1]
売上高 18億円
1967年(昭和42年))[1]

21億円
1968年(昭和43年))[1]
従業員数 270[2]
決算期 2月[2]
テンプレートを表示

桜デパート(さくらデパート)は、かつて存在した日本の百貨店鹿児島県鹿屋市に本店を置き、大隅半島では唯一の百貨店(日本百貨店協会加盟[3])であった。

概要

1945年(昭和20年)12月8日に桜商会として進駐軍向け土産物店を個人創業[2]

1948年(昭和23年)12月に有限会社桜商会として法人化し[2]1952年(昭和27年)11月に株式会社桜商会に改組した[2][4]1953年(昭和28年)12月1日株式会社桜デパートと商号変更を行い[5]、、同日に[6]鉄筋コンクリート造2階建て・850m2の店舗を完成させた[2]

1956年(昭和31年)7月1日[5]3階建て・3,075m2まで増床[2]。1960年(昭和35年)4月に4階建て・4,950m2まで増床[2]1965年(昭和40年)11月に5階建て・5,250m2まで増床した[2]1975年(昭和50年)3月には新消防法への適用と共に店舗を約2倍に拡張した[7]

この間の1974年(昭和49年)4月には寿屋と資本提携し[8]、救済される形でその系列下に入った[9]

大隅半島初のショッピングセンターであるプラッセだいわ鹿屋店が開業した1991年(平成3年)12月5日にショッピングプラザさくら(寿店の増床計画)の構想を南日本新聞の紙面上で広告として発表し[10]、1993年(平成5年)1月29日には大規模小売店舗法に基づく出店届を提出したが[11]実現には至らなかった。

1994年(平成6年)8月31日に鹿屋本店が閉店[12]。1998年以降は寿屋とくらし館が5店舗の営業権を継承して営業を続けた[13]

しかし、親会社だった寿屋の構造改革に伴い、1999年(平成11年)12月21日の臨時株主総会で解散を決議した[14]。大隅半島の倒産企業における負債金額の規模では丸栄建設(2008年破綻)に次ぐ[15]。1994年8月末時点の資本金は8,500万円、従業員数は110人であった。

1980年代までの鹿屋市で買い物といえば、鹿屋市中心部にあった桜デパートや遠矢百貨店、タイヨーが一般的であったが、1991年(平成3年)の市役所の移転や1992年(平成4年)の国道220号鹿屋バイパスの全線開通などを機に、衰退の一途をたどった。現在の鹿屋市付近の買い物は鹿屋バイパス沿いのロードサイド店舗が中心となっている。[要出典]

会社データ

1989年時点[16]

  • 本部所在地:鹿児島県鹿屋市寿四丁目14番26号
  • 資本金:8,000万円
  • 店舗数:8
  • 従業員数:435人
  • 平均年齢:27.6歳
  • 関連企業:ラッキーマート、桜外食

店舗

1998年以降は寿屋が営業権を貸借していたが、同社の倒産に伴いいずれも2002年2月に閉鎖された。

鹿児島県

鹿屋市

桜デパート
本店のあった土地は現在駐車場として利用されている。
店舗概要
所在地 鹿児島県鹿屋市北田町2-1[1]
正式名称 桜デパート
設計者 斗建築事務所[17]
延床面積 4,855 m²[1]
商業施設面積 3,400 m²[1]
営業時間 9:30-18:00[1]
テンプレートを表示
  • さくらデパート鹿屋本店(鹿屋市北田本通り[18]、1953年(昭和28年)12月1日開店[19] - 1994年(平成6年)8月31日に鹿屋本店が閉店[12]
1956年(昭和31年)7月1日[5]3階建て・店舗面積3,075m2まで増床[2]
1960年(昭和35年)4月に4階建て・店舗面積4,950m2まで増床[2]
1965年(昭和40年)11月に5階建て・店舗面積5,250m2まで増床した[2]
1975年(昭和50年)3月には新消防法への適用と共に店舗を約2倍に拡張した[7]
本店の店舗は地上7階建てでありいわゆるデパ地下も存在した(朝日新聞記事に基づく、 1973年時点は4階建て[要出典])。敷地面積は2,385平方メートル、店舗面積は9,000平方メートル。
1994年(平成6年)8月31日をもって休業し、再開店することなった。
1994年(平成6年)9月に閉鎖された後10年ほどそのままの状態であったが、再開発施設『リナシティかのや』の建設に伴う周辺整備により2005年3月までに取り壊された。本店敷地は鹿屋市が2億7,961万円で取得。現在は『まちなかパーク』として整備され駐車場として利用されている。
店舗面積265m2[20]
  • (3代目)桜デパート西原くらし館(鹿屋市今坂町10118-23[21]1994年(平成6年)9月開店[21]
延床面積1,619m2[21]、店舗面積1,076m2[21]
現マックスバリュ西原店。[要出典]
  • 桜ヶ丘店(鹿屋市西原4-2-2[22]
店舗面積3,361m2[22]
  • (初代)さくらストア寿店(鹿屋市寿町[20]、1962年(昭和37年)10月17日開店[20]
店舗面積265m2[20]
  • (2代目)さくらデパート寿店(鹿屋市寿町4-14-26[23]、1980年(昭和55年)11月21日開店[23]
敷地面積11,800m2[23]、店舗面積5,500m2[23]、駐車台数約500台[23]
3階建て[23]
寿屋鹿屋店として営業。[要出典]

肝属郡

店舗面積400m2[19]
ラッキーマートとして営業。[要出典]
  • 大根占店 - ラッキーマートとして営業。[要出典]

曽於郡

店舗面積729m2[20]
  • 桜マート有明店(曽於郡有明町[24]、1995年(平成7年)2月開店[24] - )
店舗面積999m2[24]
店舗面積998m2[24]
  • 桜マート岩川店(曽於郡大隅町[25]、1995年(平成7年)7月開店[25] - )
店舗面積999m2[25]

垂水市

店舗面積1,963m2[22]
寿屋垂水店として営業[26]

宮崎県

串間市

店舗面積686m2[28]
  • 桜マート串間店(串間市大字西方6975-1[29]、1962年(昭和37年)3月開店[29] - )
店舗面積983m2[29]
売場面積2,399m2[30]

曽於郡

店舗面積999m2[25]

関連企業

  • (株)桜開発グループ(鹿屋市北田町2-9[31]
「桜観光」のブランドで展開した旅行業の他、不動産賃貸業や建設業、携帯電話や呉服などの販売も手掛けていた[32]
2020年令和2年)8月6日鹿児島地方裁判所鹿屋支部より破産開始決定を受けた[32]
  • 桜商事(株)(鹿屋市大手町[4]
  • (有)桜製菓(鹿屋市北田町[4]
  • (株)桜友の会(鹿屋市北田町2-1[31]
  • 志布志桜デパート(株)(曽於郡志布志町2536-1[33])、1960年(昭和35年)12月17日設立[34]
(株)さくらストアとして設立され、1967年(昭和42年)8月に志布志桜デパート(株)へ商号変更した[34]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 『デパート・ニューズ調査年鑑 1969年度版』 デパートニューズ社、1969年。pp316
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『西日本会社要覧 昭和41年版』 西日本新聞社、1966年5月30日。pp446
  3. ^ 1989年当時。鹿児島県内では他に山形屋(本店)、鹿児島三越(2009年閉店、現マルヤガーデンズ)のみ。
  4. ^ a b c 『繊維小売年鑑 1965年版』 繊維小売年鑑刊行会、1964年。pp723
  5. ^ a b c d e “創立30周年特別企画 会員百貨店のあゆみから(その11)九州(Ⅱ)”. 日本百貨店協会通報 455号 (日本百貨店協会) (1978年9月20日).pp50
  6. ^ 倉本長治 『あなたも成功できる』 東都書房、1957年7月。pp178
  7. ^ a b 『鹿児島年鑑 昭和51年版』 南日本新聞社、1976年5月30日。pp343
  8. ^ 建野堅誠 『日本スーパー発達史年表-4-』 長崎県立国際経済大学論集 20号(3-4) (長崎県立国際経済大学学術研究会) (1987年3月)。pp62
  9. ^ “九州拠点に〝流通戦国〟の「豪族」めざす寿屋”. 実業之世界 1981年9月号 (実業之世界社) (1981年9月1日).pp40
  10. ^ “プラッセだいわ鹿屋店開業対抗セール広告”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (1991年12月5日) pp朝刊14
  11. ^ “経済日誌(1月)”. 地域経済情報 1993年2月号 (鹿児島地域経済研究所) (1980年6月).pp43
  12. ^ a b “桜デパート本店 あすから休業 再開計画未定、雇用は継続”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (1994年8月31日) pp朝刊8
  13. ^ “寿屋とくらし館が桜デパート5店舗の営業権を貸借”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (1998年1月22日) pp朝刊8
  14. ^ “壽屋、桜デパートなど関連3社を清算”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2000年2月11日) pp4
  15. ^ 『南日本新聞』 南日本新聞社、2008年6月22日朝刊1面。記事では丸栄建設グループ3社の合計としている。
  16. ^ (求人広告)『南日本新聞』1989年7月3日朝刊27頁。
  17. ^ 『設計事務所便覧 1967・全国版』 日刊建設工業新聞社、1966年11月30日。pp233-234
  18. ^ 『日本スーパーマーケット名鑑 1969年版』 商業界、1969年。pp626
  19. ^ a b c d 『日本スーパーマーケット名鑑 1969年版』 商業界、1969年。pp625
  20. ^ a b c d e f g h i 『日本スーパーマーケット名鑑 1970年版』 商業界、1970年。pp618
  21. ^ a b c d 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 1996年版』 東洋経済新報社、1996年。pp
  22. ^ a b c d “昭和54年度 大規模小売店舗法施行状況”. 九州商工時報 1980年6月号 (九州商工協会) (1980年6月).pp14
  23. ^ a b c d e f “桜デパート寿店新規開店”. 日本百貨店協会会報 1980年12月号 (日本百貨店協会) (1980年12月).pp44
  24. ^ a b c d e f 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 1996年版』 東洋経済新報社、1996年。pp1601
  25. ^ a b c d e f 北沢淳 『大型店の届け出史上最高に 94年の新増設動向(上) 第2種急増がけん引役 運用緩和で専門店に勢い』 日経地域情報 No.218増大号(日経産業消費研究所) (1995年4月)。pp24
  26. ^ 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 2002年版』 東洋経済新報社、2002年。pp1697
  27. ^ 『日本セルフ・サービス年鑑 1970年版』 日本セルフ・サービス協会、1970年。pp357
  28. ^ a b 『全国食品スーパー名鑑 1973年版』 食品新聞社、1973年1月20日。pp245
  29. ^ a b c 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 1996年版』 東洋経済新報社、1996年。pp1575
  30. ^ a b c “新設大規模小売店舗一覧表”. 九州商工時報 1975年7月号 (九州商工協会) (1975年7月).pp19
  31. ^ a b 『鹿児島年鑑 昭和51年版』 南日本新聞社、1976年5月30日。pp685
  32. ^ a b 桜開発、破産開始へ 負債は2億5000万円 東京商工リサーチ調べ | 株式会社旅行新聞新社”. 2023年4月20日閲覧。
  33. ^ 『鹿児島年鑑 昭和51年版』 南日本新聞社、1976年5月30日。pp709
  34. ^ a b 『全国繊維企業要覧 昭和45年版』 信用交換所大阪本社、1969年。pp3025

参考文献

  • 『鹿児島大百科事典』 南日本新聞社、1981年。
  • 『南日本新聞』
    • (求人広告)1989年7月3日朝刊27頁。
    • (プラッセだいわ鹿屋店開業対抗セール広告)1991年12月5日朝刊14頁。
    • 「桜デパート本店 あすから休業 再開計画未定、雇用は継続」 1994年8月31日朝刊8頁。
    • 「寿屋とくらし館が桜デパート5店舗の営業権を貸借」 1998年1月22日朝刊8頁。
    • 「旧桜デパート解体に着手」 2005年1月4日朝刊25頁。
  • 『朝日新聞』 2004年12月14日35頁、鹿児島版。

関連項目

外部リンク

  • 鹿屋市の桜デパート - 南日本新聞公式ウェブサイト内「懐かしフォトギャラリー」。1973年11月時点の外観。

桜デパート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:42 UTC 版)

カリーノファシリティーズ」の記事における「桜デパート」の解説

業務提携店舗であったが、1998年1月より寿屋営業賃借した。 桜デパート鹿屋本店鹿屋市) - 業務資本提携店舗1994年閉鎖後解体跡地リナシティかのや市営駐車場寿屋鹿屋店(鹿屋市) - 旧・桜デパート寿店。解体後ドラッグストアモリ鹿屋寿店。 寿屋垂水店(垂水市) - 旧・桜デパート垂水店。解体後エブリワン垂水店。 くらし館西原店(鹿屋市) - 旧桜デパート西原店。マックスバリュ九州くらし館西原店へ転用後、2008年12月マックスバリュ西原店へ改装2020年9月よりイオン九州運営となる。 くらし館串良店(串良町) - Tショップやまぐち串良店。 くらし館大根占店(大根占町

※この「桜デパート」の解説は、「カリーノファシリティーズ」の解説の一部です。
「桜デパート」を含む「カリーノファシリティーズ」の記事については、「カリーノファシリティーズ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「桜デパート」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「桜デパート」の関連用語

桜デパートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



桜デパートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの桜デパート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカリーノファシリティーズ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS