本来のフォーカスグループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 18:02 UTC 版)
「フォーカスグループ」の記事における「本来のフォーカスグループ」の解説
本来のフォーカスグループでは、回答者を選別した上で同じ部屋に集める。選別は対象としている市場に含まれる人を集めるために行われ、その集団が対象の市場セグメントの一部を代表することになる。通常、6人から10人程度が集められ、1時間から2時間行われる。司会役が提示された製品やサービスについての議論を誘導する。議論は特に構成が決まっていないので、司会役は大幅に脱線しないかぎり自由に参加者に発言させる。司会役には予め目的一覧や概要などが渡されている。司会役は事前に用意されたいくつかの質問をグループに投げかけるだけということが多い。その質問で(特に結論を求めない)議論が開始される。 フォーカスグループ実施を依頼したクライアント企業の関係者は、例えばハーフミラーなどの後ろからその議論の様子を観察する。参加者からは見えない。通常、ビデオカメラで録画しておき、その場に行けなかった関係者が後で見ることができるようにする。そのビデオテープから文章に起こすこともできる。参加者の母国語が依頼者の知らない言語である場合、同時通訳を使うこともある。 調査する側は単に声に出された単語だけでなく、様々な観点で観察を行う。表情やボディランゲージ、グループ内の人間関係などである。司会役は直接的に質問することもあるし、様々な投影法、自由連想法、物語的話法や役割演技などの技法を駆使することもある。フォーカスグループは、何らかの概念やプロトタイプや広告などの刺激に対する反応を収集するために行われることもある。 また、回答者がグループでの議論に圧力を感じて、結果が意味のないものになってしまう可能性もしばしば指摘される。司会役が十分に訓練されていれば、その可能性はないとする者もいる。集団思考の弊害もあるが、マーケティングや社会学者はフォーカスグループの集団力学が思考の新しい流れを生む利点を重視する。
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