本書にいたる源氏物語の校本の歴史とは? わかりやすく解説

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本書にいたる源氏物語の校本の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 20:10 UTC 版)

源氏物語別本集成」の記事における「本書にいたる源氏物語の校本の歴史」の解説

源氏物語は、紫式部による原本発見されておらずおそらくすでに存在しない考えられている。しかし源氏物語日本代表する古典文学として、古くから部分的にのみ残っているものを含めて多く写本版本存在している。そしてその中に少なからぬ異文含まれているために、源氏物語正しく把握し研究するにはきちんとした校本存在不可欠である。源氏物語校本としては、「湖月抄」や「首書源氏物語」といった流布本河内本などから異文書き加える形で作られいくつかの活字本始まり1942年昭和17年)に池田亀鑑によって作成された『校異源氏物語』およびそれを含む形で編纂された『源氏物語大成 校異編』が出来てからはこれが広く使われてきた。しかしながら、この源氏物語大成は、 調査することの出来た写本1938年昭和13年)までに存在やその価値明らかになっており、かつ調査することが可能であったものに限られていたこと 簡明旨とする編纂方針とっていたこと。具体的に校合する写本青表紙本中心にしており、河内本別本採用限られており、利用が可能であっても校合利用していない写本多かったこと。また校異掲出青表紙本詳細に挙げられているのと比べるとしばしば省略されていたこと。 漢字仮名使い分け異体字音便仮名遣い違いなど、意味に影響与えない異文については触れられていないことが多いこと。 源氏物語の写本中には当初書かれ本文に対してさまざまな訂正加えられていることが多いが、そのような情報はほとんど含まれていないこと。 といった作成当時から存在したさまざまな制約その後源氏物語本文研究の進展伴ってさまざまな問題点指摘されるようになり、1970年代には「大きな誤りなどはないものの、精度の高い校本とは言い難いもので、これに基づく研究不可とは言えないが限られたものにならざるを得ない」。とまで言われるようになってきたため、これに代わる学問的な研究耐えうる校本作成強く求められるようになってきた。当初この「源氏物語別本集成」は、計画の初期段階では上記源氏物語大成」にちなみ「源氏物語別本大成」の仮称与えられていた。別本研究の進展別本研究重要性認識が深まるという状況の中で、当初別本として初め複製翻刻された陽明文庫本に続いて主要な写本順次複製翻刻していくことも考えられたが、時間的経済的その他の理由から容易に出来るものではないため、その時点で最善本と考えられ陽明文庫本を底本にして他の主要な別本写本校異示し、1冊(1組)で主要な別本写本本文一覧できる校本目指したものである

※この「本書にいたる源氏物語の校本の歴史」の解説は、「源氏物語別本集成」の解説の一部です。
「本書にいたる源氏物語の校本の歴史」を含む「源氏物語別本集成」の記事については、「源氏物語別本集成」の概要を参照ください。

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