最高裁陪席判事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 05:22 UTC 版)
「エイミー・コニー・バレット」の記事における「最高裁陪席判事」の解説
2018年6月に中道派のアンソニー・ケネディーが最高裁判事からの引退を表明。このときはブレット・カバノーが判事に補充されたが、この頃からトランプはバレットを最高裁判事に据える人事を見据えていたとされている。 2020年9月18日にルース・ベイダー・ギンズバーグ陪席判事が逝去したことに伴い、9月26日、ドナルド・トランプ大統領がバレットを同職へ指名した。式典でトランプはバレットについて卓越した知性と気質を備えた、最高裁陪席判事に極めて適格な人物であると評した。しかしリベラル派の象徴であったギンズバーグの後任に保守派のバレットが指名されたことで、既に保守派5人、リベラル派3人と保守派が上回っていた最高裁判所の保守傾向がさらに強化されるとも懸念された。トランプと次期大統領を争っていた民主党のジョー・バイデンは1カ月半後に迫っていた大統領選挙の勝者がギンズバーグの後任を指名するべきであると主張した。一方で、トランプの側も、劣勢とされていた大統領選挙の巻き返しを図る意図があったと見られた。いずれにせよ承認に必要な採決を行う上院は共和党が多数派であり、承認される可能性は高かった。 この人事案の承認に必要な公聴会が2020年10月12日より上院司法委員会にて開催された。その中でバレットは、事前に提出した冒頭陳述の中で、裁判所に対し政策決定や政治的判断を求めるべきではないと指摘し、自分自身の政治的、宗教的立場に基づき司法判断は行わないと強調した。翌13、14日には議員からの質問が行われ、人工妊娠中絶やオバマケア、性的少数者/LGBTQの権利などについての質問については、これまでの判決について個人的な意見を表明するのは不適当とした上で、法の支配を重視し、他の判決を覆そうという意図はないと述べるにとどまり、直接的に見解を示さず、回答を回避した。但し、オバマケアについては、これを破壊する意図はないと言明した。又、11月の大統領選挙の結果が最高裁の場で争われることになった場合、その協議に加わらないと誓うことを拒否。不適格者を定めた法律には従うと述べた一方、法的結論を今すぐには示せないと述べた。15日には外部有識者による審議が行われた。 10月16日に公聴会は予定通り終了し、22日の委員会採決を前に民主党はボイコットを表明したものの共和党は予定通り行うと表明。結局、民主党が欠席する中、上院司法委員会は人事案を可決し本会議に送付。26日の上院本会議において賛成52、反対48で承認を受け、翌27日の司法宣誓を経て就任した。共和党からの造反は、大統領選挙直前の承認採決に以前から批判的だったスーザン・コリンズ1人にとどまった。
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