最新または開発中の迫撃砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:15 UTC 版)
機関銃や榴弾砲の基本構造が80年前にほぼ完成され、現代でもほとんど変化していないのと同様に、迫撃砲のメカニズムも砲本体の構造は既に固まっているため、冷戦後の1990年代に入ってからは砲弾や給弾機構、射撃管制システムの改良が開発の主眼となっている。 例えば、スイスのRUAG社が開発した120mm迫撃砲射撃システム"BIGHORN"は、セミ・オートマチック装填方式のため比較的軽量で高い発射速度を確保しており、歩兵戦闘車などに搭載して高い機動性を発揮する。STRIXなどの誘導砲弾も使用でき、操作性の高い射撃管制システムが攻撃をアシストする。 また、フィンランドのパトリア社およびスウェーデンのBAEヘグルント社が協同で開発した"AMOS"も連装型の120mm迫撃砲射撃システムで、車両だけでなく小型舟艇にも搭載が可能となっている。単装型は"NEMO"と称する。いずれも平射が可能で近距離戦闘にも対応できる。 アメリカ海兵隊においてもEFSSドラゴンファイアを開発中であり、歩兵戦闘車クラスの車輌に搭載できる120mmクラスの自動装填式迫撃砲と新型の射撃管制システムを統合したユニットの開発が近年の傾向である。 これらの射撃システムを搭載した車輌は、射程こそ短いものの迫撃砲の速射性を併せもつため軽量ながら従来型の自走砲よりも大幅に攻撃力が向上している。装輪タイプの車輌に搭載されたものも多いが、装輪車輌は砂漠や泥濘地以外なら装軌車輌よりも機動力が高く、流動的な戦闘の推移にも迅速に追随でき、戦場の変化に柔軟な対応が可能である。また、小型舟艇にも搭載可能であることから、沿岸部や河川などでの地上・水上戦闘における戦術も変化することが予測される。 EFSS"DragonFireII" BIGHORN
※この「最新または開発中の迫撃砲」の解説は、「迫撃砲」の解説の一部です。
「最新または開発中の迫撃砲」を含む「迫撃砲」の記事については、「迫撃砲」の概要を参照ください。
- 最新または開発中の迫撃砲のページへのリンク