最後の一句
作者森鴎外
収載図書山椒大夫・高瀬舟
出版社講談社
刊行年月1986.11
シリーズ名講談社 青い鳥文庫
収載図書少年少女日本文学館 1 たけくらべ・山椒太夫
出版社講談社
刊行年月1986.12
収載図書ちくま文学の森 10 賭けと人生
出版社筑摩書房
刊行年月1988.7
収載図書山椒大夫・舞姫
出版社旺文社
刊行年月1990.3
シリーズ名必読名作シリーズ
収載図書ちくま日本文学全集 025 森鴎外
出版社筑摩書房
刊行年月1992.2
収載図書高瀬舟
出版社集英社
刊行年月1992.9
シリーズ名集英社文庫
収載図書たけくらべ・山椒大夫
出版社講談社
刊行年月1995.5
シリーズ名ポケット日本文学館
収載図書山椒大夫 高瀬舟―森鴎外全集 5
出版社筑摩書房
刊行年月1995.10
シリーズ名ちくま文庫
収載図書高瀬舟
出版社小学館
刊行年月2000.1
シリーズ名小学館文庫
収載図書高瀬舟
出版社LUNA BOOKS
刊行年月2000.4
収載図書山椒大夫・高瀬舟―他四篇 改版
出版社岩波書店
刊行年月2002.10
シリーズ名岩波文庫
収載図書最後の一句・山椒大夫ほか
出版社教育出版
刊行年月2003.7
シリーズ名読んでおきたい日本の名作
収載図書脳を鍛える大人の名作読本 4 小さき者へ・最後の一句
出版社くもん出版
刊行年月2004.9
収載図書光村ライブラリー・中学校編 第3巻 最後の一句 ほか
出版社光村図書出版
刊行年月2005.11
収載図書山椒大夫・高瀬舟 77刷改版
出版社新潮社
刊行年月2006.6
シリーズ名新潮文庫
最後の一句
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/11 15:56 UTC 版)
『最後の一句』(さいごのいっく)は、森鷗外の小説。1915年10月に『中央公論』に発表された。
あらすじ
元文3年(1738年)大阪の船乗り業桂屋の主人・太郎兵衛は、知人の不正を被る形で死罪となった。悲嘆にくれる家族の中で、長女のいちは父の無罪を信じ、単身、大阪西町奉行佐々又四郎に助命の願書を出し、父の代わりに自身と兄弟たちを死罪にするよう申し立てる。少女の大胆な行為に背後関係を疑った奉行は、大阪城代に相談、女房と子供たちを白洲に呼び寄せ、責め道具を並べて白状させようとする。
白州で佐々は一人一人に事情を聞くが、いちだけは祖母の話から事情を聞き父の無罪を確信したこと、自身を殺して父を助けてほしいことを理路整然と答える。なおも、「お前の申立には嘘はあるまいな」と佐々が拷問をほのめかして尋ねても、いちは「間違はございません」と毅然と答え、なおも、お前の願いを聞いて父を許せば、お前たちは殺される。父の顔を見なくなるがよいか。との問いに、いちは冷静に「よろしゅうございます」そして「お上の事には間違はございますまいから」と付け加えた。この反抗の念をこめた最後の一句は役人たちを驚かせるが、同時に娘の孝心にも感じさせられることになった。そして太郎兵衛は、宮中の桜町天皇大嘗会執行を名目に死罪を免れるのであった。
解説
原作は太田蜀山人の随筆「一話一言」で、鴎外がアレンジを施した。題名となった、いちの「お上の…」の言葉は原作にはなく、鴎外の創作である。この作が執筆されたのは1913年9月17日であるが、その前日、鴎外は新聞記者に陸軍の引退を表明している(予備役発表は1914年4月13日)。当時鴎外は軍内でも孤立しており、「老来殊覚官情薄」という漢詩を作るなど不満が蓄積していた。そんな思いが、作中におけるいちの官僚批判の一句として表されている。この作に見られる批判の姿勢はこの後の「高瀬舟」にも受け継がれていく。
外部リンク
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