最初の女としてのリリスとは? わかりやすく解説

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最初の女としてのリリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 10:18 UTC 版)

リリス」の記事における「最初の女としてのリリス」の解説

『創世記』1章27節のくだり「神は御自分かたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女かたどって創造された」(アダムの肋骨からイヴ誕生する前の節である)から、アダムにはイヴ以前に妻がいたという伝承生まれた。この発想は、創世記2:21イヴアダムの肋骨もしくは脇腹から造られたという記述との矛盾解消しようとするものであった考えられるリリスアダム最初の妻であるとした中世の文献は『ベン・シラのアルファベット』で、8世紀から11世紀ごろにかけて執筆された(著者不詳)。それによればアダム最初伴侶となるはずであったリリスは、アダム対等に扱われることを要求し同じく土から造られたのだから平等だ主張してアダム口論となったリリス神の名叫んで飛び出し紅海沿岸住みついた。 アダムは神に、リリス取り戻すように願った。そこで3人の天使たちが彼女のもとへ遣わされた。セノイ(en:Senoy)、サンセノイ(en:Sansenoy)、セマンゲロフ(en:Semangelof)という3人の天使たちである。天使たち紅海リリスを見つけ、「逃げたままだと毎日子供たちのうち100人を殺す」と脅迫したが、リリスアダムのもとへ戻ることを拒絶した天使たちリリスを海に沈めようとすると、リリス天使たち答えて、「わたしは生まれてくる子どもを苦しめる者だ」、ただし「3人の天使たちの名の記され護符を目にした時には、子どもに危害加えないでやろう」と約束したのである。 『ベン・シラのアルファベット』の背景と目的はよくわかっていない。この書物聖書タルムード英雄たちの物語集成であり、民間伝承集めたものなのだろうが、キリスト教カライ派などの分離主義運動反駁するものでもあった。内容現代ユダヤ教徒にとっても攻撃的なものなので、これは反ユダヤ主義的な諷刺であるとさえする説もある。とはいえ、どちらにせよ、このテクスト中世ドイツユダヤ教神秘主義者たちに受け入れられた。 『ベン・シラのアルファベット』はこの物語について現存最古資料だが、リリスアダム最初の妻であるという概念17世紀ごろヨハネス・ブクストルフ(en:Johannes Buxtorf)の『タルムード語彙集』(en:Lexicon Talmudicum)によってようやく広く知られるようになったに過ぎない

※この「最初の女としてのリリス」の解説は、「リリス」の解説の一部です。
「最初の女としてのリリス」を含む「リリス」の記事については、「リリス」の概要を参照ください。

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