最上川水系の河川施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 02:55 UTC 版)
最上川水系では治水・利水の為の多くの河川施設が整備されているが、初見は寒河江川にある固定堰、二ノ堰と言われている。 戦後、置賜野川に管野ダムが1953年(昭和28年)に建設されたのを皮切りに多目的ダムが最上川水系に次々建設された。1967年(昭和42年)の羽越豪雨を機に建設省(現・国土交通省)によって白川ダム(置賜白川)・寒河江ダム(寒河江川)・長井ダム(置賜野川)の特定多目的ダムが建設された。一方、山形県によって補助多目的ダムである綱木川ダム(綱木川)と留山川ダム(留山川)が現在建設されており、最上小国川ダム(最上小国川)は建設を巡る議論が続いている。 農業用としては蛭沢ダム(蛭沢川)が1944年(昭和19年)に建設され、戦後、農林省(農林水産省)の「国営農業水利事業」によって多くの農林水産省直轄ダムが建設されている。この中では新鶴子ダム(丹生川)が最も規模が大きい。「農業水利事業」によるダムは現在建設されていない。水力発電用は小規模なものが多いが、上郷ダムは最上川本川に建設された唯一のダムである。 特色としては日本屈指のラバーダムである最上川さみだれ大堰、都道府県営ダムとしては珍しい中空重力式コンクリートダムが2基建設されている事である。なお、最上川最大の河川施設は寒河江ダムである。 河川施設一覧一次支川(本川)二次支川三次支川ダム名堤高(m)総貯水容量(千m3)型式事業者備考最上川 - - 淞郷堰頭首工 - - 可動堰 土地改良区 最上川 - - 上郷ダム 23.5 7,660 重力式 東北電力 最上川 - - 大久保遊水池 - - 遊水池 国土交通省 最上川 - - 大淀分水路 - - 放水路 国土交通省 建設中 最上川 - - 最上川さみだれ大堰 - - 可動堰 国土交通省 ラバーダム 羽黒川 刈安川 - 水窪ダム 62.0 31,000 ロックフィル 農林水産省 管理委託(土地改良区) 鬼面川 - - 鬼面川頭首工 - - 可動堰 土地改良区 鬼面川 太田川 - 鬼面川ダム 22.5 460 アース 鬼面川堰用水組合 鬼面川 大樽川 綱木川 綱木川ダム 74.0 9,550 ロックフィル 山形県 吉野川 屋代川 蛭沢川 蛭沢ダム 24.0 2,200 アース 山形県 置賜白川 - - 白川ダム 66.0 50,000 ロックフィル 国土交通省 置賜野川 - - 木地山ダム 46.0 8,200 中空重力式 山形県 置賜野川 - - 管野ダム 44.5 4,470 重力式 山形県 長井ダムに水没 置賜野川 - - 長井ダム 125.5 51,000 重力式 国土交通省 朝日川 - - 木川ダム 31.5 840 重力式 山形県 須川 生居川 - 生居川ダム 47.8 2,650 ロックフィル 山形県 須川 菖蒲川 - 菖蒲ダム 31.1 545 複合式 山形県 須川 馬見ヶ崎川 - 蔵王ダム 66.0 7,300 中空重力式 山形県 須川 前川 (河道外) 前川ダム 50.0 4,400 ロックフィル 山形県 本沢川 - - 本沢ダム 17.5 157 アース 山形県 寒河江川 - - 寒河江ダム 112.0 109,000 ロックフィル 国土交通省 寒河江川 - - 水ヶ瀞ダム 34.0 1,936 重力式 東北電力 白水川 - - 白水川ダム 54.5 4,600 重力式 山形県 丹生川 - - 新鶴子ダム 96.0 31,500 ロックフィル 農林水産省 丹生川 銀山川 - 銀山川ダム 21.3 263 重力式 山形県 乱川 押切川 留山川 留山川ダム 46.0 1,120 重力式 山形県 建設中 最上小国川 - - 最上小国川ダム 46.0 2,600 重力式 山形県 計画中 鮭川 - - 高坂ダム 57.0 19,050 重力式 山形県 鮭川 金山川 - 神室ダム 60.6 6,400 重力式 山形県 鮭川 金山川 桝沢川 桝沢ダム 65.8 6,751 重力式 農林水産省 管理委託(土地改良区) 立谷沢川 - - 立谷沢川第一ダム 18.5 93 重力式 東北電力 立谷沢川 - - 北楯頭首工 - - 固定堰 農林水産省 相沢川 田沢川 - 田沢川ダム 81.0 9,100 重力式 山形県 京田川 - - 三又ダム 24.0 142 アース 山形県 (注)黄色欄は建設中・計画中のダム、赤色欄は既に水没、または水没が予定されているダム(2011年時点)。
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