普通科・戦車部隊用システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 09:43 UTC 版)
「陸上自衛隊のC4Iシステム」の記事における「普通科・戦車部隊用システム」の解説
基幹連隊指揮統制システム 基幹連隊指揮統制システム(Regiment Command Control System, ReCS)は普通科連隊、戦車連隊指揮統制システム(Tank-ReCS, T-ReCS)は戦車連隊が使用する、戦術レベルのC4Iシステム。これらの機動部隊が作戦地域での使用を前提としており、可搬型システムとして開発された。AP2000アーキテクチャに則って東芝が開発・制作し、2007年(平成19年)度より第2師団に配備。2008年(平成20年)7月、同師団において実験演習が行われた。 ReCSは連隊・大隊本部に設置する中央処理装置(73式中型トラックに搭載)および大型スクリーンを中核に、連隊・大隊・中隊本部で使用するラップトップ型端末(TOUGHBOOKを採用)と、中隊以下の階梯で使用する携帯情報端末が連接される。アメリカ陸軍のFBCB2システムに相当し、部隊の指揮統制・戦術情報の共有を目的とする。携帯端末にはハンドヘルドGPS機能があり、自隊の位置を常に上級司令部に報告すると共に、電子メール等で自隊が接触した敵の情報を送信も可能。 隊本部ではこれらの情報と上級司令部からの命令を総合して指揮官が意思決定を行うと同時に、本システムを介して、指揮下の部隊に対して共通戦術状況図(CTP)と指揮官の企図を伝達する。ただし野外通信システムが普及していなかった2013年時点における第2師団での実験では、通信速度の遅さなどが指摘され、ReCSの評価は高くないとされる。 この問題解決のためReCSの機能をソフトウェア化して広帯域多目的無線機へ搭載するプログラム改修が2017年度に行われており、2020年(令和2年)7月に広帯域多目的無線機がマスコミ相手に公開された際には、CTP等提供を可能したことが報じられた。 10式戦車ネットワーク 10式戦車ネットワーク(10NW)は10式戦車が搭載する中隊・小隊単位の戦車単体・戦車間によるネットワークで、射撃指揮図(FCP)レベルでのリアルタイムな指揮統制・情報共有・射撃指揮を可能とする。軍種は異なるがアメリカ海軍・海上自衛隊のイージス艦が有する共同交戦能力に相当する。なお、16式機動戦闘車も同等の能力を持つネットワークを保有しており、10式ネットワークとも呼ばれる。
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