映画の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 13:55 UTC 版)
Netflixではジャンルとして『映画』(Movies)と『テレビ番組・ドラマ』(TV Shows)を定義しており、ほとんどの作品はそのいずれかである。『映画』のうちNetflixオリジナル作品はアメリカのテレビ業界における『テレビ映画』に対応し、「シリーズではなく一話のみからなる作品」であり、その大部分は劇場公開されず配信のみである。複数話からなる作品はほぼすべて『テレビ番組・ドラマ』となる。ある国では劇場公開された映画が、Netflixでは複数話に分割されて『テレビ番組・ドラマ』となる場合もある。 Netflixはオリジナル映画を映画祭に出品することがあり、2017年には、劇場公開映画を対象としてきたカンヌ映画祭で審査対象から除外すべきか議論が起き、2018年からは規則改正によりNetflix作品が事実上追放された。また、Netflixのオリジナル映画の中には、テレビ番組を対象とするエミー賞のテレビ映画部門に応募するもの(A Very Murray Christmasなど)もあり、テレビ番組と映画を明確に分ける賞の仕組みを揺るがせている。 プロモーションの一環として、あるいは映画祭や映画賞の審査基準を充たすために、短期間の劇場公開をすることもある。第91回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ROMA/ローマ』はNetflixでの配信の3週間前から限定された劇場のみで公開されてエントリー資格を得たが、その興行収入は製作費の13%程度にしかならなかった。 2019年、スティーヴン・スピルバーグはアカデミー賞からNetflix映画を除外する運動を起こした。2019年現在アカデミー賞はロサンゼルス郡内で最低一つの商業劇場が1日3回以上の上映を7日間行っただけでエントリー資格が得られ、上映初日以降は配信してもその資格は失われない。大手の映画館チェーンは映画の劇場公開から90日以内でネット配信される作品の上映をボイコットしており、スピルバーグはアカデミー賞のエントリー資格もこれに沿うことを求めた。劇場上映開始後3週間程度で配信された『ROMA/ローマ』のような作品は、プライムタイム・エミー賞のテレビ映画部門で扱うべきだと発言した。だが2019年4月23日、アカデミー賞委員会はこのようなNetflixに不利な規定変更は行わないと決定した。 外部会社が劇場公開をめざして映画を製作したのちに、Netflixが全世界あるいは一部の国での独占配信権を購入し、Netflixオリジナル映画として独占配信する場合も多い。この場合、独占配信権を獲得していない国では劇場公開される場合もある。日本の漫画作品を原作とした『BLAME!』はNetflixオリジナル映画であるが、アニメのファンを増やしていきたいNetflixの意向もあり、プロモーションを兼ねて日本国内のみNetflixの配信開始日から2週間の期間限定で劇場公開された。
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